見出し画像

平らな道を

そろそろ登ったり下ったり
曲がりくねったりした
激しい道を歩かなくても良いではないか

2020年から2年間の空白は
わたしたちを変えてしまった
わたしはここでずっと動けずにいたのに、
時間ばかりが飛んでいった
気がつけば、2年以上経っていた

昔話の浦島太郎は、
宴会のほとぼりが冷めたあたりで
おお、これはいかん、
と我に返り、自分の村に帰って行ったが
戻ってみれば辺りはすっかり知らない様子になっていた
感心するのは、
ちゃんと我に返って戻ろうとしたことだ

わたしにも2年半が
まるでそんなふうに感じられた

浦島太郎と違っていたのは、
自分の心変わりに気づいたことだ

あたしは、もう、前みたいに振るまえない
適当になんかできない
知らないふりなんかできない
わかったつもりにもなれない
失われた時間を取り戻すことはできないのだ

ショックだったのは、
それを自覚してしまったことだ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?