2013/09/26 富岡駅と楢葉町

2013年9月の富岡駅。海が近く、駅丸ごと津波に襲われた。この年の3月25日までは警戒区域内だったので、許可なしに立ち入ることはできなかった。避難指示解除準備区域に移行してからは、よく被災地ガイドとしてもこの駅を訪れた。

津波で流されたポストが、建物内に横たわっていた。

写真を見ていると複雑な感情がこみ上げてくる。悔しさ、悲しさ、空しさ、怒り、表現のしようがない。

富岡駅前の建物はすべて壊滅的だった。

軽トラックが流されて建物の中に。

海水で濡れた畳が外に出されている。

東京電力女子サッカー部マリーゼの看板。

マリーゼの本拠地は富岡町の隣り、楢葉町のJヴィレッジだった。震災でチームは解散した。

津波で流された家や建物に無数の「人」という字が目立つようになった。原発事故は人間の仕業だということを言っているような気もするし、ただの落書きという気もする。スピリチュアルな友だちが、悪いものを封じているのだとか言っていた。

駅前に小さな商店があり、店主が親戚だと震災後に知った。

楢葉町の天神岬公園から町を見下ろす。春には遠足で訪れた思い出の場所だ。よく祖父に「天神山連れてって」とねだっては連れて来てもらい、売店でアイスクリームを買ってもらった。

黒く大きなフレコンバックには、放射性物質が含まれたゴミが入っている。20km圏内にこの袋がどんどん集まっていく。町が黒く染まっていく。