小説の創作とお笑いについて〈その2〉


いやはや、ここまでスキが付かないとは畏れ入った。いやいやまずは挨拶をば。改めて皆様、私、田中マーブルでございます。よろしくお願いいたします。

さてさて「創作とお笑いについて」の第二弾である。
前回はダラダラと訳もわからず書き綴っていた事を、読み返してみて初めて理解した。
ならばここで簡単に表現してみようと思う。

「お笑いは想像力の塊である」
前回言いたかった事はこの一言に尽きる。

そろそろ今回の本題に入ろう。
キャラクターとお笑い、である。
今、これを読んでいる方で、キャラクター作りに悩んだ事のある方はどれほどいらっしゃるだろうか。
創作指南書、参考書をじっくり読んでアイデアを練ってキャラクターが湧いて出てくれたら良いのだが、中々そんな都合の良い事も無いであろう。時間をかけて理論を学んでもアイデアを生み出せるわけではないのだから。
さて、するっと生み出す事が難しいキャラクターを簡単に作り出せるとしたら読者諸君はどう思うだろうか?
「そんな事できるわけないだろ!」
と思うのか
「そんな方法があるなら教えてくれ!」
となるのか
まあ、ここまで読んでくださったのなら、後者の方が大半であろうが。
結論からすれば「アル」である。
ダジャレでも何でもなく「方法はアル」のである。
厳密に言えば「キャラクターを作るためのツールが〈お笑い〉には詰まっている」なのだが。

では〈お笑い〉と〈キャラクター〉の関係性について説明をしよう。
今回は分かりやすく〈漫才〉を題材に使おうと思う。
〈ボケ〉と〈ツッコミ〉の二種類の役割によって形成される〈会話形式のお笑い〉が〈漫才〉である。と定義しておく。
この〈漫才〉という形が非常に計算された舞台であり、絶好の教材なのである。

まずは〈ボケ〉と〈ツッコミ〉の明確なキャラクター分け。

主にストーリーにおける主人公的役割を担う〈ボケ〉

そして重要な脇役として主人公を引き立てサポートする役割の〈ツッコミ〉

このキャラクター作りに重要な要素が詰まってる事が伝わるだろうか。
主人公とパートナーという重要キャラクターの骨格が見えてこないだろうか。
〈ボケ〉が行動を起こし〈ツッコミ〉が反応する。
物語でも主人公が行動を起こし、脇役が反応する事でストーリーが進んでいくのだ。
全く同じではないか。


ここで皆様もよく知るであろう、キャラクターを出す事にしよう。
世界的名探偵である「シャーロック・ホームズ」である。
何の関係があるのか、と思ったそこの方。
甘い。砂糖に蜂蜜をかけて食べる位に甘い。
いや砂糖に蜂蜜かける料理などそもそも存在してないかもしれないが。

このホームズ。
相方としてワトソンが出てくるのは多くの方がご存知だろう。
この「シャーロック・ホームズ」の雛型はこうだ。

1、事件がホームズの所に舞い込む。
2、ホームズがよく分からない行動を起こす。
3、ワトソンがホームズに行動の意味を訪ねる。
4、事件の全容がホームズによって明らかにされる。

ざっとこのような感じである。

さて、重要なのは2番と3番だ。

2番では先程説明した〈ボケ〉の役割と同じ事をホームズはしている。
(事件の解決のため)自ら行動を起こす。

そして3番では〈ツッコミ〉の役割をワトソンが担う。
つまり、ホームズの行動に反応するという事である。

このような〈ボケ〉と〈ツッコミ〉のような関係性を巧みに使いストーリーを進め、解決というオチへ持っていくのが「シャーロック・ホームズ」という作品なのである。

なるほど、その2人の関係性を上手くキャラクターに仕立てる事で様々な展開が可能なわけである。
アニメ「名探偵ホームズ」で犬のキャラクターになったり、
現代を舞台にした「Sherlock」が制作されたり、
キャラクターとしての記号を内包している故に、このような展開が可能なのである。
そして、このキャラクター性を際立たせているのが〈ボケ〉や〈ツッコミ〉のような明確な役割分担なのである。


以上の事から、ストーリーを進めるキャラクター作りにおいてどれだけ「お笑い」から学べる要素が重要かご理解頂けたのではないだろうか。
何時間も掛けて指南書を読み耽り、頭を捻り考える時間があるのならば、
いっそ芸人のネタを動画サイトで見て研究した方が良いのかもしれない。
たかだか5分のネタにキャラクター性、ストーリー性、突拍子も無い独創的な展開、それら創作に必要な物が詰まっているのだから。

最後に
ここまで書いてきて後悔している事がある。
こんなに良い話なのに有料記事にしなかった事だ……。

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