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私の理想のAIは「コビトさん」です

突発的にじいさんの妄言を追記しておきます。


独断的AI応用方面

ざっくりと思い浮かんだAIがこれからやっていく仕事について、分野というよりどっちの方面を代替していくかについて思いついた表です。

ざっくりとしたAI応用分野

ざっくりと自分がAIにやらせたい仕事をすごく大雑把な方向性で分けました。
単純に言って以下のような感じです。

  • A. 管理職

  • B. 研究/開発職

  • C. 工場/生産/サービス職

まず目立つところはCと思います。
定型(しかし一部に人判断がいるのでひな形/自動化できなかった)仕事の自動実行です。
議事録整理とか定型レポートとか
自動運転とかロボット配送とか
普通の人がやっていた作業を直接代替すれば、人件費を直接削れますし人も楽ができます。
個々の人の単価は無茶苦茶高い訳ではないのでしょうが対象の人数が膨大なら大きいです(一般的なITビジネスと同じですね。対象の枠が広がるという話しです)
そしてある程度は目処も立ってきている。
現時点の大半のAI応用はCの方向のはずです。

儲かるという観点で言えばBでしょう。
GoogleがAIではいろいろ先行してたのに、生成絵や生成会話をすっとばしてAI創薬のほうの投資をやってたのはそういうことでしょう。
当たれば儲けは大きいはずです。名前も売れるでしょう。
AI大手やお金を持っている組織はこちらに注力ではないかと思います。

Aは意外に目立ちませんが、マネージメントする人の報酬は一般に高いですですからそれを減らせればCと同じく効果が出ます。
ただマネージメントは一方で責任問題とかもありいきなり置き換えはリスクが高いので、まずはマネージャの作業負担を減らすAI支援補助ツールという形で入ってきてるのでしょう。
それでも一部を除き定型度は高いので、責任の問題をどう扱うかが決め事として決まってしまえば、AI部長、AI社長の時代は来ると思います。

それではDとは何でしょう?
報酬がほぼ0
ブラック企業の仕事だって報酬はあるのだからそういう仕事も今の分類ではCに入れてます。

刺身の上にタンポポを乗せる機械、家に鉛筆があったら削っておく機械

あってもなくてもよい仕事のジョークに「刺身の上にタンポポを乗せるお仕事」というたとえがあります。食用らしいので食べることは出来ますがまず食べずに皿に落としますね。でも見た目は豪華ですし、伝統に則るという意味で気分もよいものです。偉い方の会食だと必須なのかもしれません。でも普段使いにはいりませんよね。

受験生の居る家でさえも、鉛筆が家にあるという人は少ないと思います。あるとすればスケッチを専門とする絵描き系の方とかでしょうか。そんな存在もしないものが、もしあったら毎日芯をきれいに出すように削ってくれる(鉛筆削りがあったとしても朝に自動で削ってはくれません)サービスがあったらどうでしょうか。専門家以外はほぼいらないと思います。そういう機械が部屋にあったとしても邪魔でしょう。

よく歴史小話に出てくる幼少期の秀吉が信長のわらじを懐に入れて暖めていた話(ネットによると虚構らしいですが)、信長が外出しなかったらエネルギーの無駄ですよね。でも誰かやってくれたらうれしいですよね。

あまり適切な例ではないのですが、私は次の例が気になります。
「町の多数の街路樹の根元に雑草がはびこっている。付近はバブル期に作られたデザイナーズな公共施設がたくさんあるというのに雑草だらけだ。建物は時代の哀愁を保っているが、それにしても雑草だらけというのは見苦しい。でも雑草をたびたびきれいにするコストをかけるぐらいなら介護や医療、教育、河川の強化、耐震など生活インフラにお金をかけるべきだ。なので雑草だらけは仕方ないよね」
0コストで雑草をきれいに出来るならそれはよいことですが、誰か人を使うとして0コストで雑草整理をさせたらそれはあまりにブラックだ。

実施するにはそこそこには知的能力が必要だけど、どう考えても絶対的にコストが見合わない。絶対的にコストが合わないので、気になっていても放置しておくしかない。普段は頭の隅からも追い出しておかないといけない。ただチクチク気にはなる。けど実際にやっても大して実効性/実用性はない。
・・・でも誰かがやってくれたらうれしいよね。

・・みたいな作業は目に見えない形で山ほどあるはずです。あまりにコスト対効果がかけ離れているので仕事として認識できないほどに小さな作業。
これを今はDとして置いています。
面倒くさい系統の家事とかもそうですね。どうしてもやるとなったらボランティアで人を集めるしかない仕事。
昭和のお母さんが子供にやってくれていたこと、と言うともしかしたらニュアンスが近いかもしれない。

いつの間にかやってあればうれしいこと、机の上の整理、動かした工具を元の位置に戻しておくこと、ちょっとしたちり紙をゴミ箱に捨てる(ロボット掃除機に吸わせたら詰まってしまう)
夜中に靴を作ってくれる「コビトさん」を誰でもタダで持てたら、きっと生きていく悩みも減るでしょうね。

ビジネスで考えたらB,A,CでDは論外。でもDは社会が富む、そして見落とされている

ビジネスで考えたらDのような方向性は論外でしょう。B,A,Cのほうが明らかに儲かります。
でもDをしれっと解決しているAIが増えないかなーと思うんですよ。
知的判断が必要な作業のコストを0にするにはAIロボットしか可能性がない。
AIは今は華やかな話ばかりで値段も高いですが、ソフトウェアと同じくほぼ原価0で複製を作り続けることができます。動かす強GPUのPCも多量に作られ続ければコストは下がっていくでしょう(1.5bit LLMとか期待ですね)
さらにAIの場合はシンギュラリティがあります。AIがAIロボットを自己生産できれば値段が付かないレベルまで製造原価が下がる可能性もあります。

人では絶対出来ない「ペイしない仕事」を黙々と解決してくれる機械。
意識することさえ出来なかった不便を解決してお金にならない便利を生み出すこと。
ロボット/AIの物語が語り続けていた理想世界のブループリント。
今世代のAIで、ようやく「もしかしたらやれるのではないか」というキー要素が揃いそうに思えるのです。

性悪説に基づく世界のグランドデザイン

と、おいしい話/美しい話にしましたが、まず出来ないでしょうね。

「そんなおいしい話しがあるなら独占すればもっとおいしいよね」
名だたる資本家達はすべてなんらかのAI開発プロジェクトを言い出しています。独占できればおいしいとともに、逆に独占されてしまえば自分達に将来がなくなることを分かっている。
美しい話しも性善説で設計してうまくいくはずがありません。
それについてはブロックチェーンのセミナーで思い出されることがあります。
講演のエンジニアが以下のことを言ってました。

私は今夜楽しくお酒を飲みます。ブロックチェーンのサービスが落ちる心配はしません。世界の裏で自分と同じような多数の人がサービスを落ちないように頑張っているからです。明日の朝には自分がサービスが落ちないように頑張ります。だから今夜は私は楽しくお酒を飲めるのです。

昔に受けたブロックチェーン講習会でこんなこと言ってた

なるほどと思ったと同時に、ふと以下のことが思い浮かびました。

bitcoinは「すべての人が欲にまみれて行動することをアルゴリズムに組み込んで作られている」

サービスを落としたりマイニングできなかったりしたら自分が大損する。参加者すべてがアルゴリズムレベルでそれに縛られるので必死にサービスを保つし、他の人がサービスを保つように頑張ると推定できる。
欲にまみれて作られるシステムは山ほどあるが、欲にまみれることをシステム根幹に組み込まれたソフトウェアアルゴリズムとかちょっと感心してしまいました。

どれほど美しい話しでも悪さをする人は出てくる。
右とか左とか、資本主義とか共産主義とか、各種イデオロギーは作られてから何十年~何世紀とたっている。もうAIの時代にはそぐわない。でもきれい事でやってもうまくいかない。
きっと「コビトさん」が生息できるには、アルゴリズムレベルで性悪説を組み込まれたような新しい世界のグランドデザインが必要なのです。
私はそんなウルトラCは思い付かないので、誰か頭のいい人が頑張って欲しいです。

Dには新しいビジネスが埋まっているかもしれない、きっと大変だけど

話しが脱線しました。。。
Dは今まで実現出来ると誰もが思っていなかった便利が埋まっているので、うまく抽出できれば新しいビジネスが作れるはずです。
AIによる「知的コストが0になるかも」というのはそれほど衝撃的な可能性だと思っています。
Dに属する作業はそこそこに知的作業であり結構なコストがかかる+問題解決しても実利が少ないという大前提のために仕事として認識されていません。下手するとその作業に名前すら付いていない可能性があります。
「解決しても0円もいただけない、でも解決したら喜ばれるよね」という問題を超薄利多売すればもしかしたら大ヒットするかもしれません。Google検索とかSNSも最初はそうでしたよね。
ビジネスとして見落としてしまう方向だからこそ、大当たりがあるかもしれない。少なくともこの方向が増えれば社会全体が富む可能性がある。

朝起きたらコビトさんがすべてを整理し終えているような世界を見てみたい。コビトさんだらけの世界を見てみたい。

私は自分が生きている時代に生成AIやシンギュラリティが間に合うとは思わなかったのです。ここまで来たのだからもう一歩先も見てみたいのです。

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