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2023J2第15節 仙台VS山形 振り返り

前節の愚痴

はじめに

前節のアウェイ水戸戦では何もかもバラバラで今季ワーストゲームを披露してしまった仙台。
そんな中で迎える今節は絶対に勝利以外許されない『みちのくダービー』ホームでの山形戦となる。プレッシャーがかかっただっただろうが、結果は元彦の劇的ゴールで何とか勝利!今後の浮沈のカギを握る事が多いダービーで大きな1勝をもぎ取った!

メンバー

☆仙台
福森に代わって真瀬がようやく復帰して小出と菅田が左にズレる。左SBは秋山がベンチで内田がスタメンに。ボランチは佳貴ベンチ外でエヴェがスタメンに復帰。前節FWスタートの郷家が右SHに、逆に左SHスタートだった亮真がFWスタート、加藤・仁斗に代わって相良が左SH、山田がFWでスタメン起用。
ベンチは蜂須賀に代わって若狭と梁が入った。

★山形
前節ミスが目立ったGK長谷川に代わって正GKの後藤雅を戻した。トップ下は國分に代わって渉が古巣戦先発、CFは高橋に代わってチアゴアウベス。
ベンチは吉田泰に代わって野田と後藤優が入った。

試合展開振り返り

試合開始~前半15分(ゴール無し)

☆仙台
序盤は右サイドを中心に攻め込む仙台。相変わらず真瀬のクロスはアレだが全体的にラインが押し上げられていたので、跳ね返されたボールをしっかりボランチの所で回収出来ていた
最初に山形の選手が触っても素早く寄せられる位置にいるので即時奪回出来ており、若狭不在で心配されたラインコントロールが今日はしっかり出来ているなと感じさせた。

★山形
丁寧にパスを繋いでいくというよりは、仙台のプレッシャーに押されて逃げのロングボールが多い印象。イサカらのスピードで1発で裏を取りたいのだろうが、菅田や小出のカバーが早い上に山形の前線が欲しいタイミングで出しているわけでもないので精度を欠く。先週の仙台かよ。

☆仙台
11分、CKのこぼれを亮真が押し込むもオフサイド判定。慌てない慌てない、今日の山形ならその内普通に点数入りますから。

★山形
13分、連続攻撃で右からイサカがしぶとく侵入して渉へ。渉はカットインから得意の左足を振りぬくもポスト直撃で仙台は肝を冷やす。渉に自由に左足を使わせてはならない。ここはシュートシーンだけでなく、ビルドアップ段階からケアしたいところ。

☆仙台
仙台のビルドアップは真瀬右肩上がりの3枚+ボランチ2枚+フリーマン亮真というところ。山形の2トップ迎撃に対して後ろ3枚で優位に立ち、ボランチは相手のダブルボランチを監視、亮真がボランチの脇に立ってフリーで受けられますよ(或いは郷家)といった振る舞い。この亮真がビルドアップの出口になって数々のチャンスを作っていった。本日一番の推しポイントと言える!

前半15分~前半30分(ゴール無し)

★山形
自分達のCKの際はトリックをしてくる。FKのようにスポットに2人立って、その上でショートコーナーをしてくる時もあった。ナベさんなりに仙台のゾーンを崩すための作戦だったのだろう。

前半30分~前半終了(32分仙台得点)

☆仙台
32分、仙台が先制。右サイド高い位置で奪った仙台が一気にショートカウンター発動。鎌田がPA右を深く抉って折り返しは一度は跳ね返されるもリターンを拾って今度は亮真へプレゼントパス。落ち着いて流し込んで亮真は2年連続ダービーでの先制ゴールとなった。
先週水戸にやられた形をやり返したように見える

★山形
37分の攻撃は良かった。CB西村が1列内側にポジションを取って浮いていた右SB山田に刺すパスが入る。一度戻してから大外のイサカへ。今度はポケット侵入しながら山田がリターンを貰ってクロスをニアでチアゴアウベスが合わせるも林ストップ。仙台のボランチが渉に釣られて山田が空いてしまっていた。

★山形
前半終了間際に林の判断ミスからCKを得る。一度は跳ね返されるも、2次攻撃で小野の右クロスから熊本が惜しいヘッドを放つ。終了間際のセットプレーは相手もかなり必死だから分かっていても止められない事がある。細かいところ、林はいい歳なのでその辺りの判断をしっかりしてもらいたい。

前半は全体的に仙台ペース。高い位置からのプレッシングが嵌り、何度もショートカウンターを繰り出して得点も取れた。亮真のレシーブの動き、左で作ってから小野の裏を突く真瀬の動きが印象に残った。
山形は単発的に良い攻撃は見られたが、全体的に後手を踏んでいる。仙台に嵌められて苦し紛れのロングボールが多かった。後半どう立て直してくるか。

後半開始~後半15分(ゴール無し)

★山形
HTで小西を投入。小西がDFラインからのボールを引き出す動きをする事で本来の繋いでいくサッカーが出来つつある。最初から彼の方が良かったんじゃないか??

後半15分~後半30分(ゴール無し)

★山形
62分に2度目の交代。両WGを下げてチアゴアウベスを得意のワイドへ、ストライカーの藤本を1トップに、同時に投入された横山も前節の勢いそのままにサイドから仕掛けにかかる形。

☆仙台
この試合再三見られた左SB内田の中に切れ込んでいくドリブルビルドアップで詰まりそうになる1歩手前で見せる内側へゴリゴリ行くドリブルがかなり状況打開に役立った。
実は試合前に知り合いと「ビルドアップで詰まるなら何とかSBがドリブルで剥がせないものか。昨年までは崇兆が剥がす事でかなり打開出来ていた。いないのがかなり痛い」と嘆いていたのだが、内田それ出来るんか!と感動した。

後半30分~試合終了(85分山形得点、90+6分仙台得点)

★山形
82分にCB熊本が負傷で野田と交代。最後の交代枠だったが後藤優が残っていたので最後に出したかったはずだが、ここは最後の一押し出来なかったといったところか。

★山形
85分、ついに追い付く。右サイドを藤田と横山のコンビで攻略し、ハーフスペースに上がってきた小西が優しいクロス、國分が落として最後は藤本がオーバーヘッドで叩き込んだ。昨年のユアスタでのダービーで野田が見せたゴールを見ているような感覚。優位に立っていたはずが、一気に奈落の底に突き落とされた感じ。

ここからオープン展開でチャンスとピンチが入り交ざる心臓バクバク展開

☆仙台
91分、フォギーニョが右で裏を取ってゴールエリアまで抉ってマイナスクロス、元彦が合わせるがクロスバー直撃。その後も繋いで再び良い位置から元彦ミドルも枠外。頭を抱えるアキラと仙台サポーター。
93分にもフォギーニョの右サイド攻略から最後は真瀬がシュートも後藤セーブ。あともう少し!
94分にはCKの跳ね返しを繋いで菅田が絶妙な落とし、右45度でフリーで待っていたフォギーニョが強シュートも枠外。再び頭を抱えるアキラと仙台サポーター。
そして96分についにこじ開ける。右サイドで真瀬が何と2人剥がして冷静にグラウンダークロス、受けた元彦が左足でコントロールショットを放ち見事ゴール隅に沈める!熱狂するユアテックスタジアム仙台!地獄から這い上がったような顔でスタッフと喜び合うアキラ!これがユアスタ!これがダービー!クラブに関わる全ての人間の想いが元彦の左足に乗っていた。

★山形
山形もラストチャンス。國分が右で待つ横山へスルーパス、ダイレクトでニアへ速いボールを入れて侵入した藤田がヒールで合わせるが枠外。ここは肝を冷やすが結果的に仙台は凌ぐ事に成功。

総評

結果が全てだったこのゲーム、その結果を手にする事が出来た。非常に良かった。ギリギリだったが、それがまたドラマチックで上昇する上では最高の材料になると思う。
内容的には仙台は前プレスが機能して多くの時間で山形の攻撃を無力化した。また、前プレスに呼応してラインも押し上がっていたので即時奪回も可能な距離感が保たれており、先制点もショートカウンターから奪えた。これは大きな収穫。4月頭から取り組んできた事が紆余曲折を経てダービーで1つ結実したように見える。
課題としてはリードした後のゲーム運び。今回も追い付かれてしまっている。時間帯的にも基本は2点目を取り切る事だろう。フィニッシュワークやラストパスの精度、日頃の練習から拘ってほしい。また、ゲーム中も心配していたがどのタイミングから取りに行くのをやめて守備固めモードに入るのか、取りに行き続けても良いのでしっかり意思統一をしたい
これで迷いなく、戦い方が定まるのではないか。やるべきことがはっきりしてくるだろう。

次節に向けて

次は中3日でアウェイ熊本戦となる。連勝がまだない仙台。熊本はボール回しが上手く、3バックで幅広く攻めてくる相手。スライドが間に合うのか、過密日程で強度が保たれるのか、前から来られたら耐えられるのか、真価が問われる一戦となる。
ダービー勝利で得た勢いを活かさない手はない。いや、活かさなかったらもう無理ですよ!ここが頑張り時!全員の力で連勝を勝ち取ろう!

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