見出し画像

27歳のあの日、僕は貯金ゼロになった。

昨夜、なにげない会話から、ワイフに「12年前、いくら稼いでた?」と聞かれた。それをきっかけに、当時の記憶がパッと蘇った。

2006年9月、仕事のあてもないままバルセロナに住み始めた27歳の僕は、案の定、たいした仕事もなく、数カ月後、人生初の「貯金ゼロ」になった。

その瞬間は年末年始の帰国中に訪れた。全財産は財布に入ってる数千円のみ。でも、その1、2ヶ月前、バルセロナで日本人Mさんと住んでた広いアパートの空き部屋2室を日本人旅行者に貸し始めたら、それが大人気になって毎月数百ユーロの収入があったから、バルセロナに戻れはなんとかなると思っていた。ちなみに、ライターの稼ぎは年収100万弱だった。

空き部屋レンタルの集客は、当時全盛期だったmixiのお世話になった。旅行関係、欧州関係のコミュニティに告知を出すと、ひっきりなしに問い合わせがくるようになった。1泊25ユーロで、部屋を借りているMさんの取り分が15ユーロ、僕が10ユーロ。2部屋ともほとんどフル稼働していたから、Mさんに払う家賃350ユーロは宿で稼いだお金でまかなっていた。バルセロナは物価が安いから、あとはライター業で月に数万円稼げば生きていけた。

僕自身がバックパッカーで、各地の宿で知り合った旅人と話すのが好きだったから、いろんな人が泊まりに来る宿業も楽しかった。しょっちゅう、一緒にご飯を食べたり、酒を飲んだりしていた。仲良くなった人もたくさんいる。そのなかの数人はいまだにつながっていて、なんだかこそばゆい。

ちなみに、2008年頃から少しずつ稼げるようになり、ビンボー生活から脱することができた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?