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サプリメントと農薬の安全性

今はドラッグストア以外でも、コンビニでも百均ストアでも、いろんなところで手軽に買えるようになったサプリメント。
代表的なビタミン類やミネラル類のもののほか、セントワートジョーンズやグルコサミン、DHAやトンカットアリなど、聞いたことあるモノから全く聞いたこともないようなモノまで実に様々な種類のサプリメントが売られています。

サプリメントはそのほとんどが「食品扱い」です。
医療品や医薬品とは異なります。
食品とは言っても、サプリメントを服用する人はおそらくそれを食事とは考えていなくて、栄養の補助やなんらかの健康改善を期待しているはずです。

ビタミンやミネラルなど、普段の食材にも含まれていて健康に役立つことが分かっている栄養素を「補助食品」として栄養バランスの改善などに利用するのは分かります。
でもサプリにはそれ以外にも「食材として普段口にしないモノ」もいっぱいありますよね。謎の成分を含むモノもいっぱいあります。
上にあげたセントワードジョーンズやトンカリトットの他にもイチョウ葉、ノコギリヤシ、etc…様々なサプリが売られています。

それぞれ「これに効く」とか「○○の改善に」のような薬効っぽい事を謳っていますが、薬ではないためどれも「の可能性があります」「と言われています」のようにちょっとぼかした表現になっています。

実際、効果はどうなのだろうと厚労省のサイトで確認してみたところ、思っていた以上に「効果は認められない」というものが多くて驚きました。
気になる方はこちらをどうぞ↓

このサイトには様々な療法や成分、ハーブなどに対する海外の研究報告がまとめてあります。
例えば、認知症予防などに効果があると言われるイチョウ葉エキスについては、
「いかなる健康状態についてであれ、イチョウが有用であるという決定的な科学的証拠は存在しません」とあります。
その他にもグルコサミンやコンドロイチンなどについても、コンドロイチンに関しては「変形性膝関節症または変形性股関節症の痛みに有効ではない」ということが示唆されているとし、グルコサミンに関しては「有用性は不明」としています。
掲載されているものの中には摂取することで逆に健康を害する可能性を示唆する成分もあります。

それでもイチョウ葉エキスのサプリはよく見かけるし、グルコサミンやコンドロイチンもCMなどで何度も目にしたことがあります。

サプリにもいろいろな種類がありますが、中にはその有用性が不明なものまで普通に販売されていて、普通に売れているのが実情です。

一方で、農薬に関しては、その食品への残留量は科学的な検証の結果、
「毎日、一生摂取しても安全性に問題がない」という値に設定されているはずですが、こちらは懐疑的な受け取り方をされることが多いです。

サプリメントは、効果がある”かも”知れない、という曖昧なものでも売れる、
農薬の残留値は、ほぼ安全性には”問題がない”、という値になっているけど懐疑的。

この差はなんなんでしょうね。
サプリメントの効果・効用については不明な部分が多いけれど好意的、農薬の安全性については検証が進んでいるけど否定的に受け取られることが多い気がするのです。

これは思うに、印象の差、のような気がします。
サプリメントは「なんとなく効きそう」
農薬は「なんとなく危険そう」

その差ではないでしょうか。
そこには科学的な根拠は介入していません。
なんとなく、なんです。

農薬については、常に安全性の検証が続けられていて、以前よりも残留量が厳しくなったものもあれば、緩和されたものもあります。
以前は使えたけれど、今は使えなくなった農薬もあります。
そうして安全性はアップデートが続けられています。
とは言っても人によっては何かの成分に過敏に反応する人もいるでしょうし、どんな人にも絶対安全だ、とは言い切れません。
ただ突き詰めると、それはビタミンやミネラルなども同じです。
どんなものでも、使い方によっては毒にもなり得ます。

農家、生産者は安全に食べられるものを作っています。
慣行栽培でも、有機栽培でも、その作物は安全であることが前提なんです。安全でなければいけないんです。
慣行栽培を行う農家も、農薬を全面的に肯定しているわけではありません。
大規模な野菜の管理を容易にするため、安価に野菜や果物を供給するために農薬を利用しているに過ぎません。

世間には「なんとなく」で売られているものもいっぱいあります。
その中には、はっきりした根拠がないままで「健康」を謳う危険な商品もあります。
同様に、はっきりした根拠がないままで何かを「危険」だと謳うことも危険です。

例えば有機栽培した野菜だから健康にいい、とか慣行栽培の野菜だから危険だ、という情報操作や思い込みは危険です。

でも、意外と根拠もないままに「なんとなく」で印象付けられているものって多いのかも知れません。

と、ここまでいろいろ書いてきましたが、マーフィーズファームでは、基本的に科学農薬を使いません。その理由は、農薬が危険だから、ではありません。
自然に畑に生きている虫や菌とともに、野菜作りを心掛けているからです。
できるだけいろんな生き物と畑で共生したい、そんなゆるい考えを大切にしているからです。
そんなやり方だと収量も大きくないから単価も安く出来ず、それって一体誰得なの?ってなっちゃいますけど。
でも、いろんな虫や草、土には菌がいる畑にいるのが好きなんです。
自己満足かも知れないですけどね。



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