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ドラえもん 恐怖傑作選

ドラえもんがリニューアルして何年経っただろうか。
声優だけでなく、作風やキャラクターの内面も少し変わったように思う。昔のドラえもんには母性や落ち着きがあったが、最近はやかましい。下手したらのび太よりテンパっている。良く言えばキャッチーになった。

「それを言っちゃーおしまいだ」
「あぁ、おしまいさぁ〜」
といった昭和っぽい会話も、今は多分ないだろう。

初めはなかなかリニューアルを受け入れられずにいたのだが、次第に続けてくれていることに感謝するようになった。ドラえもんは、後世に継いでいくべき尊い存在なのだ。

私は幼少期、学校を休んだ日はだいたいドラえもんのビデオを見ていた。母がたくさん撮り溜めをしていたのだ。
ただ、そうは言っても今どきの配信サービスと違って数に限りもあるし、同じエピソードを繰り返し見た。モノによっては台詞を言えるほどよく覚えている。
今思えば昔のドラえもんは結構パンチの強い描写も多くて、色々な意味で怖い作品が多数あった。少しだけど紹介したい。

普通にホラー映画だった『ドラえもん  のび太のパラレル西遊記』

ドラえもんはよく劇場版の過去作をリメイクしているけど、西遊記はやらないのではないかと思っている。

タイトルの通り、西遊記がテーマの本作。
ドラえもんの持っている未来のゲームで、のび太は西遊記のキャラに扮していた。孫悟空が実在したとジャイアンたちに主張したいという、毎度お馴染みな理由により。

しかし、ゲームの扉を開けっぱなしにしていたところ、中にいた妖怪が現実世界に放出され、世の中がおかしくなってしまう。(今すぐリコールしろ)
おかしくなった世の中がどんなふうだったかというと、人間が全員鬼になっていた。のび太の両親や学校の先生、出来杉君までもだ。先生が激怒して鬼化する場面なんて、服がはだけてもはや北斗の拳かと思うレベル。

最終的にのび太たちは巨大な妖怪と戦うことになるのだが、トドメをさすところでは如意棒をビッグライトで大きくして鬼にブッ刺す。厳密に言うと刺さってはいなくて、棒で壁に固定した状態。
窒息した鬼の目はどんどん青くなり、最後はマグマに飲み込まれて死んだ。これが結構怖かった。血さえ流れなきゃいいんか。

この状況が一生続いたらどうしよう…通常回「家の中で迷子」。

ドラえもんが道具を出すきっかけはたいてい、のび太が誰かを羨ましがって「僕も」と言い出すパターンである。
このエピソードでは、のび太が友達の住む豪邸に遊びに行き、家の中で迷子になってみんなから笑われるというところから始まる。バックナンバーがあったのだが、絵が新しいのでリメイク済みらしい。


のび太は帰宅するとすぐドラえもんに泣きついた。そこで出した道具が「ホームメイロ」。
ガラガラくじのように、カラカラ回すと家の中の間取りが変わるというもの。回せば回すほど複雑な構造になる。

のび太はこれを思いっきりフル回転させた。本当にろくなことをしない。ドラえもんが「なんてことするんだ!」と怒っている間に、家の中は地鳴りとともに複雑怪奇になった。
恐る恐る家の中を探っているうちに、ドラえもんとのび太は迷子に。どれだけ歩いても、部屋に戻れず現状復帰できない。しまいには元々家の中にいたお母さんと、たまたま遊びにきたジャイアンとスネ夫も迷子となってしまう。

この光景がなかなか恐怖で、とにかく全員が延々と家の中を歩き回る。私は外出する時必ず飲み物を持つのだが、長時間トイレにも行けず飲み物も飲めないという状況を想像するとゾッとする。
結局、完全に迷宮と化した家に、お父さんが帰ってきてホームメイロをいじったことで家の中は元通りとなった。

もう一本ぐらい書きたかったが、既に長くなってしまってのでこの辺で。
ちょい怖ならブリキのラビリンス、ドラビアンナイトも。あべこべの星、スーパーのび太マン、地下工事マシンなども面白くてオススメです。

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