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モーニングおばさん。爆誕\(^o^)/

私の母のコミュ力は異常だ。

知らない人と平気で会話できるタイプで、
英語を全く喋れないのに、海外旅行に行くと外国人とよく談笑している。

観察していると、だいたいはジェスチャーで乗り切っているようだ。

「あなたの子ども、何才?」
「傘貸して」
「このパンを三等分して」

など。
本人曰く、「あたしに英語など必要ない」そうだ。すぐ調子に乗る。

母はとにかく至る所で場を盛り上げようとする。
私が小学生の時の授業参観で、生徒たちがグループに分かれて作業する時間があった。
具体的に何の作業だったかは覚えてないが、その時なぜか保護者同士もグループを組んでいた。

そして、グループの名前を決めて順番に発表していく。生徒たちは無難に「チームなんとか」などのネーミングだった。
それで、保護者も先生からグループ名を聞かれたので、うちの母が得意げな顔をして言った。

「モーニングおばさん!」

ドッと笑いが起きた。当時はモーニング娘。が大流行しており、少なくとも女子生徒たちは大爆笑だった。

ネーミングを発表した後笑いを取れてニヤニヤしている母を見て、私は発案者も母本人だと確信した。

私はシャイなところがあり、当時は極力目立ちたくない性分だった。何度か遅刻しそうになって母が車で送ってくれたことがあるのだが、みんなから車で来てたと言われるのすら恥ずかしくて、窓から見えないように隠れていた。結局、車から降りたところで注目されるのだが。

そんな性格の私は、クラスがモーニングおばさんにウケている中、「あちゃー…」と頭を抱えた。

そしてこれが、根っからのひょうきんものの娘として生を受けた宿命を、私が覚悟した瞬間なのであった。

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