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第37話:コロナワクチンからみる日本の新薬開発能力について

 4年前、大騒ぎしたコロナワクチン。結局どうなったんですかね? 日本製のワクチンじゃないと打たないと言って人が私の周りに一定数いたんですが、結局、日本製のワクチンってどうなったんですよね? 厚生労働省のホームページを覗いてみましょう!

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00223.html

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00223.htmlより引用

 ま、こんなもんです。開発が早いと言われるmRNAワクチンですら、今年の秋に供給開始ですってw アンジェスに至っては開発中止なんですってw mRNAワクチンを毛嫌いしてた人が待っていた待望のDNAワクチンだったんですけどねw

 あっと、いきなり訳がわからないことを言ってごめんなさい。えっと、ワクチンってこんな種類があります。

https://covnavi.jp/559/より引用

 ま、そんな話はこのさいどうでもよくて、自称「科学技術」が「最先端」の日本が、こんなにワクチン開発が遅れたのかを考えてみましょう。

 ということで、結論。じつは日本って、薬が認可されるまでメチャクチャ時間がかかるんですよ。

https://imidas.jp/jijikaitai/f-40-068-09-10-g350

https://imidas.jp/jijikaitai/f-40-068-09-10-g350より引用

 これだけみても、まぁ、うんざりしますよね。着手までの時間はさておき、臨床試験が長すぎますよね。じつは新薬の認可っ、Phase1、Phase2、Phase3 の三段階の臨床試験があるのですが、それを通過して初めて新薬として認可されるわけなのですが、でも、これ世界共通なんですよね。

 ただ、日本は新薬に対し「世界トップレイベルで慎重」なんですよ。だから臨床試験の期間が異常に長いんですよ。ただ最近は、Phase1 とPhase2 を合わせてPhase1/2 としたり、Phase2 とPhase3 を合わせてPhase2/3 としたりして省略が可能になりつつあるのですが、欧米に比べて認可が遅い現実は変わらないんですよ。

 じゃあ日本は薬の世界で、ワクチンの世界で、もともと競争力がなかったのか? と問われるとそうではないのです。実は1900 年代、日本はワクチン開発の最前線、最先端に立っていたのです。

 例えば、日本近代医学の父、北里柴三郎は、破傷風菌の培養に成功し血清療法を確立しています。そしてこの研究からさまざまな日本国産ワクチンの開発につながりました。 また1934 年に大阪大学の敷地内に設置された現・BIKEN グループは世界で初めての水痘ワクチンの開発に成功し、世界のワクチン界をリードしていたのです。

北里柴三郎(wikipediaより引用)

 でも、最近はさっぱりなんですよ。コロナワクチン以外の例をあげると肺炎球菌ワクチンや子宮頸がんワクチンの場合、最新のワクチンは海外から輸入に頼っているのが現状です。そう、日本はワクチンについては「先進国」ではないのです。

 では、なぜ日本のワクチン産業が落ち込んだのか? これは副作用の問題が大きいのです。 たとえば子宮頸がんワクチン。2013年、東京都杉並区の女子中学生が子宮頸がんワクチン接種により1 年以上歩行困難となった事件がおきました。

 この事件が、2013年4月に杉並区議会で「とある議員」に取り上げられると、補償に応じない自治体として被害者団体により非難を受け、 マスコミによる激しい取材攻勢、非難攻勢をうけます。その結果、杉並区は被害者とされる接種者に補償を行うことを決定しました。そしてこのことを日本国民は「自治体が誤りを認めた」と認識し、子宮頸がんワクチンに対する反感はどんどん高まっていったのです。

 しかし私の把握している事実は「大変気分が悪い」ものです。 実は2013年3月に無料接種を実施した東京都杉並区は、副反応の被害救済制度の適用をすでに検討していたのです。 つまり、もともと「副作用に対して支援を決めていた議会」に対し、とある「議員」の「マスコミを上げた売名行為」と「マスコミの力を誇示する」ためだけに、「子宮頸がんワクチン」と「その被害者」は利用されたのです。

 ちなみに子宮頸がんの5 年生存率が33~74%、子宮頸がんワクチンによってがん予防ができる可能性は87%、重大な副作用の発生率は0.07%程度です。 先ほどの女子中学生はギラン・バレー症候群で、その0.07%に入った方になります。

 ちなみに子宮頸がんの治療は、ほとんどは子宮の摘出手術になるそうです。最終的な判断は人それぞれですが、私は「ワクチンを打つ価値は十分にある」と思うし、ちゃんとした事実や背景を話さないマスコミは「無責任」にもほどがると思っています。

 さて、このような「世論」が形成されれば、リスクを取ることが大嫌いな「大手企業」はワクチンなんか作りませんよね? 一事が万事そんな感じで、過去の薬害による「大騒ぎ」のおかげで、日本は「薬の認可」がどんどん遅くなり、世界的な競争力を失ったのです。

 とにもかくにも、全体を俯瞰することができず、一部のことのみをフォーカスするマスコミは、ほんとどうしようもないな。と思う毎日なんですが、みなさまはどう思いますか?

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