見出し画像

第36話:ピアノの詩人、ショパン

 ベートーベンの回でショパンをディスってしまいましたが、もちろんあれはジョークですw だった私はショパンをよく聞きますもの。特に、落ち着きたいときはショパンを聞くときが多いですね。今日はそんなショパンの話。


フレデリック・ショパン(wikipediaより引用)

 ショパンは「結核」をわずらい病弱だったため、長くは生きられませんでしたが数々の名曲を残しました。今日はそんなショパンの曲とその背景についてのお話をしていこうと思います。ちなみにショパンはベートーヴェンと違いすごくモテたのですが、女性関係は「あれ」なのですが、まぁ、その話は荒れるのでやめておきますねw

①練習曲作品10第3番「別れの曲」

ショパンの「別れの曲」、だれもが聞い事あるこの曲は実は全然「別れの曲」ではありません。 実はこの曲を「別れの曲」と呼ぶのは日本人だけで、戦前に日本公開された映画「別れの曲」のメイン・テーマ曲だったからというなんともな話ですよね?

では、この曲の本当の意味はというと、 ショパンが故郷のワルシャワを離れ、フランスのパリに移り住み「音楽家」として生きていく決意をしめしたものです。 そのため、冒頭は「ワルシャワ」を離れるさみしさを表現した曲調になり、中盤で盛り上がる部分は「自分の決意」を示したものなのです。 ただ終盤は、冒頭の故郷への思いがあふれてしまって、そのフレーズで最終章を〆るんですけど、これはこれで味がありますよね!

https://www.youtube.com/watch?v=ObPRnRblEsU

②練習曲作品10-12「革命」
 
非常に「激しく、荒々しい」有名な曲なのですが、この曲にも背景があります。

 時は1830 年、フランス革命が起こりその影響はヨーロッパ各地に伝わり各国で革命がおこります。 じつはフランス革命は絶対王政の終わりと民主主義の始まりを告げるファンファーレであったと当時の欧州の人々は思ったそうです。もちろんその影響はショパンの故郷であるポーランドの首都「ワルシャワ」にも及びました。それが世に言う「ワルシャワ蜂起」です。

 ショパンはそのことをウィーンへの演奏旅行中に聞きます。 その報を聞いたショパンの心は高揚し、愛すべき祖国への「思い」をこめてこの曲を作り始めました。 しかし現実は残酷で、ポーランドの革命は失敗に終わります。 傷心のショパンはフランスに戻り深い絶望の中、「祖国の再びの蜂起」と「革命の成功」を願ってこの曲を完成させたと言われています。

③ポロネーズ第6番「英雄」
 これも有名ですね。ショパンにしては「明るい」曲です。 この曲を作曲した頃のショパンは、「故郷の婚約者」との一方的な婚約を破棄して、男装麗人のジョルジュ・サンドに恋をしていました。つまり、この時代の曲は「恋」に心を燃やしていたので、「明るく、力強い」曲が多くなります。 一般的には、革命と同じく「ワルシャワ蜂起」の失敗でロシアに併呑された故郷を思い作ったとされていますが、 「革命」と違い、この浮ついた曲調から私が感じるのは「ジョルジュ・サンドへの思い」な気がしています。

https://www.youtube.com/watch?v=h5yNUt36yLM

④前奏曲第15番「雨だれ」
 ベートーベンの時にも少し触れましたが、この曲こそショパンの性格を表したエピソードはないと思います。

 この曲を作曲した時、ショパンは「結核」の治療でジョルジュ・サンドとスペインのマジョルカ島を訪れていましたが、静養も兼ねた旅だったものの旅先で持病が悪化してしまいます。 当時「結核」は不治の病でしたか
ら、宿泊地をなかなか見つける事が出来ず、悪天候も重なり、ショパンは苦しい状況でした。

 そんなある日、大雨の中ショパンとジョルジュ・サンドは町の教会で雨宿りをします。 ジョルジュ・サンドは、ショパンの為大雨のなか「今夜泊まる宿」と「食料」を買い付けるため、ショパンを教会に残して出ていったと
言います。 その時に、ショパンが孤独に耐えきれず作った曲がこの「雨だれ」です。

 曲としては「大変美しく」、一貫して続く連打音が雨の音を表現するなど「素晴らしい音楽性」をもった曲なんですが、このエピソードを知ると少し点が下がっちゃいますね。


 とまぁ、有名な曲ばかり書いちゃいましたが、最後に私が好きなエチュードのムリヤリ一言コメント書いて締めます。あ、私、専門家ではないのでツッコミは禁止です。素人が楽しむレベルの物なので、はいw

Etude Op. 10 No. 1:滝
音がまるで滝のように降ってくる美しい曲、これこそがショパンって感じの曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=9E82wwNc7r8

Etude Op. 10 No. 2:半音階
小さく早く始まり、ダイナミックな音への変化を楽しむ曲です。それなのに最後は静かに収めるのが本当に凄いと思うのです。

Etude Op. 10 No. 3:別れの曲
ここは割愛します。さっき紹介しましたしね、旅立ちのショパンです。

Etude Op. 10 No. 4:激発
エチュードの中で「一番激しく」、演奏家によって「曲のイメージがガラっと変わる」名曲です。コンテストでよく演奏される有名な曲ですよね!

Etude Op. 10 No. 5:黒鍵
右手の主旋律すべてが「黒鍵」で演奏される曲。黒鍵だけとは思えない美しさがそこにはあります。

https://www.youtube.com/watch?v=jaMA8LWW3C0

Etude Op. 10 No. 6
最初聞いた時「夜想曲(セレナーデ)」と勘違いさせる「優しく・優雅」な曲、「別れの曲」が好きな人はこの曲も好きだと思います。

Etude Op. 10 No. 7:雪上の狩り
軽快な音楽である一方、低温がすごくいいアクセントになっています。楽し気な曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=3xd2BZv6qcc

Etude Op. 10 No. 8:陽光
陽光(Sun Shine)とはうまく名付けたと感心します。迫りくる冬の前の穏やかな秋の光を思い起こさせる曲です。ちなみに陽光という呼び方は日本ではマイナーです。

https://www.youtube.com/watch?v=lZZd87pO9eE

Etude Op. 10 No. 9
闇の中で一条の光をさがす、そんな思いが伝わる一曲です。個人的にはかなり好きなのですが、世間の評価はイマイチなんですよね。

Etude Op. 10 No. 10:
エチュードの中で一番軽さを感じる曲です。氷の張った池の上を、陽光を浴びながら軽やかにわたっていく、そんな感じを受けます。

https://www.youtube.com/watch?v=Ry7hbUQkqPg

Etude Op. 10 No. 11:アルペッジョ
後述のエオリアン・ハープと同様、ピアノの弦の美しさを強調する曲です。美しい曲ですが、私は「エオリアン・ハープ」の方が好きです!

Etude Op. 10 No. 12:革命
ここも本文で紹介したので割愛します。ワルシャワ蜂起です。

Etude Op. 25 No. 1:エオリアン・ハーブ
ピアノの弦が奏でるを美しさを思い起こさせる一曲。まさにハーブのようです。

Etude Op. 25 No. 2:蜂
非常に速いテンポで流れるような曲です。でも心が落ちく不思議な曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=naia4ko16Bo

Etude Op. 25 No. 3:騎手
楽し気でまるで子供が跳ねて高原遊んでいるような情景を思い浮かべさせてくれる一曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=hk2cbLpyN3I

Etude Op. 25 No. 4:パガニーニ
尚早感を感じさせる一曲、曲の後半で少し落ち着きを取り戻してるように聞こえますが、終始焦りを誘う曲になります。

https://www.youtube.com/watch?v=naia4ko16Bo

Etude Op. 25 No. 5:ロングノート
少しの不安と少し希望を感じさせる曲、人間の内面をうまく表現した曲だと私は思ってるんですけどね!

https://www.youtube.com/watch?v=XIbEm5un77I

Etude Op. 25 No. 6:ダブルサード
17 番とは違い「不安」が徐々に育っていき、その不安から逃れようとする葛藤が感じられる曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=Kq-zzAczGRE

Etude Op. 25 No. 7:恋の二重奏
そうですね。恋はやっぱり切ないものなんですよね。かすかに曲の根底に流れる喜びが切なさを支えている感じる曲です。

Etude Op. 25 No. 8:6度
喜びにあふれた曲と思いきや、時々入る不安。人生うまくいっている時こんなに幸せでいいのか?みたいな感じの曲です。

Etude Op. 25 No. 9:蝶々
「子犬のワルツ」を彷彿させる楽し気な曲調、癖になります。

Etude Op. 25 No. 10:オクターブ
木枯らしに似た曲調ですが、木枯らしより圧倒的に好きです。音の強弱が重なりあり人の心を揺さぶります。

https://www.youtube.com/watch?v=V1hw_xVYubU

Etude Op. 25 No. 11:木枯らし
冬の木枯らしを激しく、そして強弱で表した曲です。ギャップが特徴的な名曲だと思います!


Etude Op. 25 No. 12:大洋
私が最も好きなエチュード、大海の中で浮かんでいるような穏やかな気持ちにさせていただけます。もっと評価されて欲しいw


よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!