人権とは~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.453 2023.4.15)~
「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事第56弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。
今号の特集は、「わたしの隣人、人権はどこに」です。
”仮放免”になっている外国人の置かれている現状の過酷さに、読むのが辛くなります。でもこれが現状なわけで、目を背けるわけにはいきません。
これでは死ねと言っているようなものです。加えて、医療費が全額自己負担なだけではなく、「病院によっては無保険の外国人に対して200%、300%の医療費を請求するところがあ」(p.10)るというのには、絶句しました。
こんなことをしていては、もし何らかの理由で日本人が他国に難民としていかねばならないような事態になった時、冷たい対応しか得られないのではないでしょうか。
大澤優真さんがおっしゃるように、「まずは時間や地域の制限つきでもいいから、仮放免の人にも就労を認め」(p.10)るのが、出発点ではないでしょうか。
国連の人権高等弁務官事務所の人権についての説明は、心に留めておきたいです。
そして、上記の第1弾(Vol.398)の記事でも引用させていただいた、ベトナム人僧侶のティック・タム・チーさんの「ベトナムには、『破れてない葉っぱは破れた葉っぱを包むべき』という言葉があります」という言葉も。
ちなみに先日、大学時代の法学の授業のプリントが出てきたのですが、外国人労働者の人権についての発表のレジュメを見て、唖然としました。1992年の「出入国管理基本計画」に「不法就労外国人問題への対応は、不法就労を行おうとする外国人の入国の防止及び不法就労外国人の定着化を防止し、その着実な減少をはかっていくよう努めることを基本とする」とあるのです。
何しろ不法就労は許さない、そんなことをしようとする外国人はそもそも入れないようにするし、している外国人は追い出す、という方針があからさまです。恐らくこれ、今も基本的には変わっていないのではないでしょうか。
なお発表者は、「国民健康保険に外国人特別加入制度を」という提案を行っていますが、30年経って、これすら果たされていないことには愕然とします。日本は進歩しないどころか足踏み、下手したら後退しているのではないでしょうか。
特集以外では、「浜矩子の新ストリートエコノミクス」が痛烈でした。ゲーテの「人はただ自分の愛する人からだけ学ぶものだ」という言葉を踏まえた、
「岸田首相にとって、自分の愛する人とは誰なのだろう。それが国民でないのだとすれば、彼に政策責任者となる資格はない。愛する人々の運命に思いを馳せればこそ、その人たちのためになすべきことに真剣に挑める」(p.20)との言葉に、心底同意します。
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