Mari Ohashi

音楽関係が多かったスタイリストですが、博物館の宣伝媒体や図録撮影に携わった機会から、展…

Mari Ohashi

音楽関係が多かったスタイリストですが、博物館の宣伝媒体や図録撮影に携わった機会から、展示用の古代衣装を監修、デザイン制作をしました。主に縄文、弥生のレポート、協力頂いた伝統産業について、また自分の手編みを軸にしたブランド、スタイリストした作品についてなど書かせて頂きます。

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  • 縄文と弥生

    2005年夏、上野の科学博物館で開催された「縄文VS弥生展」の衣装制作に携わったことから、現在まで、他の博物館でも復元衣装を担当しましたので制作レポートを書きます。

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縄文人像に着装する衣装制作の記録

ベンガラ染めによる黒い鹿皮 赤い飾りが際立つにはやはり黒い下地が美しいと考えました。 まずベースになる鹿皮を探しました。縄文時代の手法に合わせた方法での作成を試みました。なるべく東北地方に近い場所に合わせたかったので岩手県に生息していた和鹿を入手、ナメシ方法は古代は、脳漿ナメシが多かったので近い効果のあるコレステロールを使用した方法で発注しました。 同時に白い鹿皮を黒く染める方法を探りました。 最初どんぐりを集め数日水に浸け、煮沸、鉄分を投入した液に鹿皮の端きれを浸けて数週

    • 国立歴史民俗博物館に設置 縄文人像に着装する衣装制作の記録

      編布と赤漆を塗布した麻紐 縄文人は豊かな狩猟採集民であったと考えられています。縄文時代の遺跡から土器や土偶が出土していること、付着物から木の実や山菜採取して調理していたことがわかっています。また漆が塗られた赤や黒の土器も多くみつかっており、底には精製、貯蔵していたとみられる漆が付着していて、漆の工芸技術が発達していたことがわかっています。縄文人は狩りで仕留めた鹿を毛皮は衣服に、肉は内蔵まで食し、角や骨は道具やアクセサリーに、食料や道具としてすべて使用していたでしょう。 動物

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        国立歴史民俗博物館に設置 縄文人像に着装する衣装制作の記録

        • 縄文人像に着装する衣装制作の記録

          国立歴史民俗博物館「先史・古代」コーナーに展示された縄文衣服復元の根拠 国立歴史民俗博物館(歴博)総合展示第一展示室「先史・古代」の2019年のリニューアルに向け、2013年に依頼された縄文人像に着装する衣装は、2005年に国立科学博物館(科博)で開催された「縄文vs弥生」展で私が考案した衣装に似た系統にするということでした。その衣装は、ポスターや図録表紙のヴィジュアル用から始まったため、人々に印象強く伝達することに重点を置き、黒い皮に赤い縄で飾り付けたワンピースの形にし、

        縄文人像に着装する衣装制作の記録

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        • 縄文と弥生
          3本

        記事

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          弥生時代の衣服復元にまつわる画像

          弥生時代の衣服復元にまつわる画像

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          弥生時代の衣服復元

          弥生女性の衣装制作 2014年7月15日〜9月15日まで、千葉県佐倉市の 国立歴史民俗博物館で開催されていた「弥生って何 ⁉︎」展に展示されていた人体模型像「やよいちゃん(仮称)の衣装制作に携わりました。人体模型は出土した弥生時代の人骨を元に形成され148cmと小柄な(当時の平均身長による)若い女性像です。2013年8月に同館の藤尾慎一郎教授から依頼を受け希望される衣装の参考資料として吉野ヶ里歴史公園、弥生ミュージアムに展示されている「復元衣装」の写真を見せて頂きました。 そ

          弥生時代の衣服復元

          撮影を振り返って(2)

          「縄文vs弥生」展 ビジュアル撮影用衣装製作を振り返ります。(2005年上野科学博物館で開催) 文献を参考にし、自分なりに想像めぐらす。古代の衣類に関しての発掘品の情報はかなり少ない。 まず縄文時代の衣食住については土偶や土器の出土の調査による解釈が多い。それら造形はかなりアーティスティックで、土偶の表情もユニークだ。土偶が纏う衣装は貫頭衣のような首元に切り込み入れたような形状に見える。グルグル丸い文様が目立つ、顔や腕には入れ墨のような線で構成された図案、スカートの下には

          撮影を振り返って(2)

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          国立科学博物館 日本館 人体模型

          国立科学博物館 日本館 人体模型

          科博 日本館 人体模型像

          2007年 国立科学博物館の常設展として約3年の改修工事を経て日本館がオープンしました。 そちらに人類学者馬場悠男さんが中心となり監修された人体模型が設置されています。 旧石器時代のホモ・サピエンスの港川人(沖縄の港川フィッシャー遺跡から発掘)から鎌倉時代までの家族の日常風景を切り取った時代の生活様式も垣間見ることが出来る展示です。 私は2005年科博で開催された「縄文vs弥生」展の宣伝用媒体のモデルキャスティング、衣装を担当させて頂いた経験から馬場さんの依頼を受け縄文

          科博 日本館 人体模型像

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          撮影を振り返って⑴

          撮影を振り返って⑴

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          科博で開催された「縄文VS弥生」展

          会期:平成17年7月16日(土)〜8月31日(水)  会場:国立科学博物館 主催:国立科学博物館、国立歴史民俗博物館、読売新聞社 図録の制作は中央公論新社 駅貼りポスターなど宣伝媒体、博物館で販売する図録のアートディレクション、デザインを担当された「梶谷デザイン」梶谷芳郎さんからスタイリストをやらないか声かけて頂いた。 スタイリストというよりは衣装さんになった。 梶谷さんはかのバンド「スピッツ」のCDジャケットをデビュー当初から担当されて、3枚目のアルバムで声かけて

          科博で開催された「縄文VS弥生」展

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          縄文VS弥生展

          縄文VS弥生展

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          縄文vs弥生展

          今日からnote始めます。 こちらは2005年夏、上野の科学博物館で開催された「縄文vs弥生」展の図録です。 撮影用衣装デザイン、制作を担当しました。

          縄文vs弥生展