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40年の重みを手放す怖さと立ち向かう勇気

神様わたしにお与えください。
自分に変えられないものを受け入れる落ち着きを。
変えられるものを変えていく勇気を。
そしてふたつのものを見分ける賢さを。


手に取ったそのLOVETOXICのパスカードケースの中には
すっかり紙ヤケした23年前の高校野球部の地方大会の集合写真が
大切そうに入っていた。

道端に落ちていたパスケース。
落とし物だなと拾い上げたそれは、薄くてくたびれててなんならちょっと黄ばんでて。
急いでたし、いつもならそこらへんにそっと置いておくだろうになぜか
失礼ながら中を開けてしまった。

そこからでてきたのは
古びた写真。平成12年の夏。
高校球児たちの集合写真で女子マネさんがふたり写っていた。

奇しくもわたしは高校時代野球部のマネージャーだった。
あのときの熱く眩しい思い出が一気に蘇る。
灼熱の太陽、ジリジリと焦げそうなくらい痛む腕。
額を伝う汗を拭いながらかたづを飲んで見守るマウンド。
南国宮崎の一角で、高校野球に青春を捧げたあの頃。
それはどれだけお金を投じても誰も買うことが出来ない
唯一無二のわたしの宝となる思い出だ。

そして今朝ちょうどわたしのすべきことが
学生時代の捨てきれない大きくて重くて古いアルバムを手放すことだと悟ったところ。



5年に一度くらい古い大きなアルバムたちを見返しては
あの頃の一生懸命だった思いに胸を馳せる。
その純粋なまでの熱い情熱が
真夏のグランドのように
わたしの胸を熱く焦がすのだ。
大切に大切にしまっておくべき宝物だと思っていたけれど
そのくらい大切なものを手放しても
真剣に拡大成長と対峙する時がきたということ。
コンフォートゾーンを抜けるには勇気が必要。
まばゆい青春の思い出も、もう物質ではなく心のメモリーに入れて
過去の全てから解き放たれ、あたらしく生まれ変わる時がきたのだと
心の深い部分で感じた。

大きな夢を叶えるためには
自分の器を拡大せねばならず
そのために一番大きく占領していた
40年間決して捨てることのできなかった過去の栄光さえも
手放すときがきたのだと。

そんな朝とリンクして途端に涙がこぼれてきた。
当時人生で初めてお付き合いした彼はキャプテンで、わたしはマネージャー。
子供ながらも一生懸命であの時以上の恋愛はその後にあっただろうか。
いつも彼の存在がわたしにささやきかける。
どんな人と出会っても彼の影がわたしを引っ張る。

ファーストインプレッション。
人は初めて体験した衝撃的な出来事
またそのときに動いた感情の大きさがターニングポイントとなる。
その初めてをお互い共有し、心を通わせたことは大きな衝撃で
良くも悪くも私を離すことがなかったのだ。

しかしここでしっかり区切りとして感謝して卒業するときがきたようだ。

「これはなんとしても持ち主に届けなきゃ!」
「神様お願い!どうかこのパスケースを確実に届けてください!」
見知らぬ人のためにここまで強く何かを願うことってそうそうない。
しかし私の手元にある古びた高校球児たちの集合写真をなんとしても届けたいという熱い思いが滾った。

そこでふっともう一度中身を漁ったら、交通系カードがでてきた。
こんなとこに名前や連絡先はないよなぁと
それでもじっと見てみたら、カスタマーセンターの電話番号が。
急いでその場で電話して事情を話す。
心なしかオペレーターの声も喜んでいるように感じた。
「きっとこの写真はこの人の大切なものなので、ぜひ連絡をいれていただけませんか!」
わたしは自分の用事の途中だったのにそんなこともすっかり忘れて、見知らぬだれかのために必死になっていた。
青春の輝きがわたしを駆り立てた。

その後無事交番に遺失物として届けた。

これで必ず持ち主の手に帰る。

そしてわたしの心の中で
ホタルの光が流れ、キラキラした過去の卒業を終えた。

どうしても手にしたいものがあり
命をかけてまでそれが自分にとって必要なものならば
40年も大切にしてきた過去すら手放す必要がある。
それは誰かに言われるわけでなく、自分の心の奥がそう叫ぶからこれだとわかる。
写真というメモリーが私のもとから消え去っても
その時の情熱は決して消えることがなく
こうしていまでも私の心の扉を叩いてくる。
だから大丈夫。

そして今、やっとアルバムに手をかける。

断捨離を通して、過去のすべてをクリアリングして
大きなものを引き寄せる覚悟ができた。

また同時に私とともに夢を追いかけてくれるパートナーは誰かって
答えもでてしまうときがきたのだろう。
これからもよろしくねか
今までありがとうか
どういう結果になるかは天にお任せ。
変えられないモノ。

そして私が大きな手放しを体験したように
あの人にもその選択を迫る事象が起きている。


夢を追いかける女性たちを応援したい。
夜の街で何を見て何を感じどうその夢を叶えていくのか。
一緒に歩いていけたら。

ほとばしる情熱がエネルギーとなり
きっと私達を目的地に運んでくれるだろう。
共に見守りゴール達成を見届けようではないか。

月の光にやさしく照らされて
満面の笑顔で突き進む女性たちとともに。
その笑顔を曇らせはしないから。

40代~50代女性のナイトシーンを応援しています。
夢を追いかける女性たちと共に手を取り
自分らしい生き方で歩こう。



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