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ブルージュひとり散歩🇧🇪

今から9年前の1月、急遽用事でブルージュへ出かける事となりました。

ベルギーのブリュッセルに住んでいました当時、暖かくなりましたら是非、ブルージュで運河クルーズを、と、楽しみに思っておりましたが、1月は寒く運河クルーズはできませんでしたけど、冬のブルージュも趣きがありとても素敵でした。

ブルージュといえば、オードリー・ヘプバーンの『尼僧物語』を思い出します。また、『Bruges-la-Morte(死都ブルージュ)』の舞台となる町でもあります。(娘が学校の教材として読んでいた本を貸りて読みましたが何とも重苦しく哀しいお話でした)

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ブルージュはベルギー屈指の美しさを持つ水の都。
運河に白鳥、古い橋(50以上の橋があります。ブルージュとは“橋”の意味です)等、当時住んでいたブリュッセルよりもより中世の趣が残り、丸で時が止まったかのような、タイムスリップをしてしまったような不思議な気持ちになる町でした。ブルージュはベルギーの北西に位置する西フランドル州の州都で、運河、石畳の道、中世時代の建物が特徴的な街なのです。
「天井のない博物館」ともいわれますが、全くその通りで何処を歩いても絵になる風景ばかりです。旧市街は世界遺産にも登録されているそうです。

中でも美しい建物が並ぶマルクト広場で一際目立ちますのが、13~15世紀に建てられたという鐘楼(またはギルドホールの塔)。 

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直径7メートル、重さ6000キロの大きな鐘があり、他にも多くの鐘があって、それは美しいハーモニーを奏で、人々を魅了し楽しませています。カリヨンと呼ばれる組み鐘は、57の鐘で構成されていて、その音色はヨーロッパでも折り紙つきだそうです。
町を歩いていますと、観光馬車が石畳をパカパカ駆ける音と共に、頻繁にこの美しい音色が聞こえてきます♪ とても素敵な風情を感じます🐴
カリヨンの音色、雰囲気だけでもお楽しみいただけましたら、と思い動画をUP致しました。

その他、マルクト広場には、ネオゴシックな美しい州庁舎や郵便局が並び、四方に其々魅力的な建物を配した、ヨーロッパでも5指に入る美しい広場とのこと。カリヨンの音色の響くブルージュのマルクト広場は、ブリュッセルの広場とはまた、違った趣きを感じます。

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此方の茶色い素敵な建物は郵便局なのです。⬇️

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ヤン・ブレイデルとピーテル・ド・コーニンクの像が中央に。

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晴れたと思えば曇り、急に雨が降ったり等、ベルギーの天候は変わり易いのでお出かけの際は折りたたみ傘が必需品です。

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鐘楼からそのままブレイデル通りを抜けるとブルグ広場が見えてきます。
(焼き立て熱々ワッフルをかじりながら(笑)寒いと食べ歩きが美味しい♪)

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ゴシック様式の美しい此方の⬇️市庁舎は、ベルギー最古とのことです。

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此方は⬇️夜の市庁舎です。

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⬇️此方は十字の門。ブルージュは運河に囲まれていますので、昔はこの門を通って中に入っていたそう。ブルージュにはこのような門が幾つかあります。

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ブルージュといえば運河と白鳥と幾つもの橋、そして個人的には憧れのオードリー・ヘプバーン主演『尼僧物語』(1959年)の舞台になった町、ということで、映画のオープニングでオードリーが佇んでいた橋、そして自宅へ向かう途中の道を歩いてみました。 
時代は変わっても風景はそのまま、ということにとても感動!オードリーもここに佇んでいたのだわぁなどと思いながら、悪天候も忘れ感慨深くなりました。

此方⬇️が映画の最初に出て来る、オードリー・ヘプバーンが佇む橋。オードリーがいないだけで、風景は映画と全く変わっていません💓

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オードリー・ヘプバーンはベルギーのブリュッセル生まれなのですよね。それもまた嬉しい💓

橋からの眺め。オードリーもこの景色を眺めていたのねぇ。。。

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カリヨンの音色が流れる中、オードリー・ヘプバーンが自宅へ向かう道。

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映画の中のオードリー・ヘプバーン目線ではこんな感じに。

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白鳥達。

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そして、此方の⬇️中央にあります白い家が映画の中でのオードリー・ヘプバーンの自宅。

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憧れの大女優の映画ロケ地に出かけられただけでも感慨ひとしお💖
ブルージュを訪れた甲斐がありました✨

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と、興奮しながら進んで行きますと、ヤン・ファン・アイクの銅像がありました。

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運河の向こうに見える高い塔は聖母教会です。町のあちこちから見える程存在感があります。

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どの風景も美しく絵になりますので、画家さんがあちこちで絵画を描かれています。

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画家さんの背後には美しく壮大な聖母教会。

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此方は⬇️メムリンク美術館。美術館に展示されています「聖ウルスラの聖遺物箱」はベルギーの七大秘宝のひとつということですが、予想を遥かに超える美しさに長い事見入ってしまいました。その他、聖カトリーヌの神秘の結婚も、素晴らしかったです。(残念ながら館内撮影NGでした)

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オードリーの『尼僧物語』といえば、ブルージュでもうひとつのロケ地があります。それは豊かな自然に包まれたベギン会修道院。世界遺産にも指定されている修道院ですが、ブルージュの他、多くの都市でベギン会修道院に出会います。
12世紀にリエージュの司祭が起こしたもので、封建社会で疎外されていた独身女性や夫を亡くした女性たちの生活と権利を守る事が主目的だったそう。ブルージュの修道院は尼僧物語のモデルにもなりました。
現在はベギン会修道女ではなく、15世紀そのままの修道服を身に付けたベネディクト派の修道女たちが静かに暮らしているそうです。 

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運河にかかる橋を渡るとベギン会修道院の入口があります。

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ベギン会修道院の中庭はひっそりと静まり返り別世界のようです。

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反対側にも古めかしい入口があります。

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人が多く集まるところには必ず白鳥さんも多くいます。

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観光馬車の馬さん達が足を休め、食事をしています。街中走り回っておつかれさま。

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ところでベルギーといえばレースとゴブラン織りが有名ですが、ブルージュではブリュッセル同様レースやゴブラン織りのお店が数多くありました。
特に高い技術と芸術性に加え、亜麻がとれるということからベルギーレースは、その精密な美しさ故嘗ては王侯貴族のステイタスシンボルともなっていたそう。

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中でもこちらのお店の店主さんはとても気さくにブルージュでも盛んなボビンレースについて親切にご説明して下さいました。

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ベルギーを代表するボビンレースは地方によって特徴があるそうです。
ブルージュでは地と絵柄全体を一定の数の糸で編む連続糸レース、ブリュッセルでは絵柄を独立して作りデザインに応じて糸を追加する不連続レースという技法なのだそう。 
編み方の違いにも様々なスタイルがあり、ボビンレースの他、リボン、ニードルポイント、プリンセスレース等があるそうです。

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両手が前足、手先が恐ろしく不器用な私にとって、店主さんの素早い手の動きと綿密な作業に感動して拍手を贈りました。

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店内には美しいレースやゴブラン織りの品々が沢山✨

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イーペルの猫祭りでお隣の席に腰掛けていたマダムに教えて頂いた、ベルギーでは深い意味のあるポピー柄を多く見ます。

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ベルギーのポピーについて、ここから少し、ブルージュのひとり散歩から離れてお話しさせて頂きますね。

ベルギーに住むまで全く知らなかったこと、それは11月11日が戦没者追悼の日(Jour de l'armisti)で休日となることです。

ベルギーに越して間もない頃、日本から送った船便が中々届かず、生活に困りますので食器類などをデパートで色々探し求めましたが、その時ふと手に取り、惹かれた食器が此方のポピーのシリーズでした。

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その時はまだ、ポピーがベルギーにとって特別なお花という事も知らず、赤い色鮮やかなポピーが素敵でしたので求めましたが、そのうち、ゴブラン織りのお店へ出かけたりしましても、何処へ出かけてもポピー柄の多い事が気になっていました。 

その謎は、イーペルの猫祭りで偶々、お隣の席にいらした英語の上手なマダムから、色々と教えていただきました。

猫祭りのパレードでも、赤いポピーの飾りをつけた方や、コサージュをつけた方を多く見て、
「あれはポピーですよね。」 と、マダムに訊ねますと、
「イーペルはね、その昔、酷い戦地だったのよ。」と、第一次世界大戦で
空前の犠牲者を出したお話を悲しげに語ってくださいました。

第一次世界大戦の頃、ドイツ軍が占領したかったのは、ベルギーではなくフランスでした。ですが、ドイツ軍がフランスへ向かうにはベルギーを通らなければなりません。
英国軍、カナダ軍、フランス軍と共に、ベルギー軍はドイツ軍の侵略を防ぐ為必死に戦いました。その戦いはどんどんエスカレートし、終いにドイツ軍は毒ガス攻撃に出たのです。それは人類初の毒ガス攻撃で、無数の兵士が一瞬にして亡くなったそうなのです。
毒ガス攻撃は国際協定違反にもかかわらず、です。その、毒ガス攻撃に遭った地域が猫祭りで有名な、イーペルだったのです。
その後連合国とドイツの間で1918年11月11日に締結された休戦協定の日が、犠牲者の冥福を祈る日になったのです。(Remembrance Day, Poppy Day, Armistice Day, Veterans Day と、各国で色々な呼び名があります)

それで何故ポピーなの?ということなのですが、イーペルの戦場では激しい戦いの後、一面に真っ赤なポピーが咲き乱れたのだそうです。 
ポピーの種は殻が固くて発芽し難く、地面に落ちても何年も発芽しないこともあるそうで、また、イーペルでそのように、ポピーが突如として一面に咲き乱れた事は初めての事だったので、赤い花はそこで犠牲になった戦士達の嘆きの印、血の色なのだ、との声が多く(軍靴で強く踏み荒された事で開花したという説が本当なのではとのことですが)、ポピーは戦死者のシンボルになったのだそうです。ですのでベルギーにはポピー柄の品が数多くあるのです。

ベルギーを歩いているとあちこちでヘルメットにロングコートの彫像を見かけます。最初は何だろう?と思いましたが、無名戦士の記念碑なのです。

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「戦争程恐ろしく悲しいものはないわ。」と、最後に悲しげに呟いたマダムのお言葉、いつまでも心に深く残っています。

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ベルギーのポピーのお話になりましたが、このお話はいつか記事に残したいと思っておりましたのでこの機会にと思いました。

さて、次に聖母教会へ向かいました。

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こういう小道、好きです。

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片手には勿論、定番の焼き立てワッフル(笑)

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聖母教会へ向かう途中に、ブルージュ最古のゴシック様式な教会、救世主大聖堂が見えてきました。

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パイプオルガンの音色が素晴らしく美しかったです。

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中はとても温かかったので暫くパイプオルガンの美しい音色を聴きながら冷えた身体を温めました💓

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救世主大聖堂を後に、聖母教会へと向かいました。

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ブルージュといえば矢張り運河。

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運河沿いではブロカント(蚤の市)が♪ 寒さを忘れふらふら覗いてしまいました。ブリュッセルに越してから何度ブロカントへ足を運んだことでしょう。素敵な掘り出し物を発見できて嬉しかったです♪

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聖母教会が見えてきました⛪️

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傍にはグルートフーズ博物館が。

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博物館の壁に『世界一小さいゴシック形式の窓』を発見。⬇️画像向かって左上にとっても小さく見えます。

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小さ過ぎて見過ごしてしまいそうですが、観光客の方たちが撮影していましたので気づきました。

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何の為にこのような小さな窓がつくられたのでしょうか。

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聖母教会内は、残念ながら内装工事中でした。

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是非拝見したいと思っておりました、ミケランジェロ作の聖母子像も観られないのかしら、と思っておりましたら、聖母子像のある右手祭壇側は観る事ができました❣️良かった~♪

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此方⬇️がブルージュが世界に誇る芸術作品、大理石を素材とした『聖母子像』です。あの、ミケランジェロの作品です。

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聖母子像を囲む美しい聖像たち。

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聖母子像をうっとり眺め、教会を後にブリュッセルへ帰宅しました✨

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ブルージュもとても素敵で美しく、興味深い街でした😊

今後もこんな風にヨーロッパふらり気まぐれお散歩記事をアルバムのように纏めたいと思います💖

有難く頂戴致しましたサポートは、動物保護施設への募金及び易経研究の為に使わせて頂きます💓