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ゲントひとり散歩🇧🇪

シリーズ化しているヨーロッパひとり散歩記事ですが、今から9年程前の画像になります。ベルギーのブリュッセルに住んでいました頃、ブリュッセルの自宅から車で凡そ40分程の距離にあるゲントをふらりお散歩した時の画像をアルバムのように此方に纏めます😊

ゲントは現代と中世が調和する町で、ブリュッセル、アントワープに次ぐベルギー第3の都市。町中には何百年も経た建造物が点在し、歴史を見つめてきたいくつもの尖塔が空に向かって聳えています。ゲントはアントワープ同様、オランダ語圏ですのでどこでも英語が通じて安心でした。

アントワープひとり散歩記事です⬇️

さてさて、日記をチェックすると9年前の6月、「今日はまた冷え込み、6月だというのに5℃という寒い気温。このところ寒暖の差が激しい。」と書かれてありますが、私は何故かその日、ふとゲントへ出かけよう、と思ったようです。いつものように日記を頼りに記憶を辿ります📖

車を駐車し、歩いて直ぐの所にベルフォート(鐘楼)が見えてきました。

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ゲントの自治権の象徴として、14世紀にギルドによって建てられたそう。
6階建てで高さは90メートル。⬇️塔の上には金箔をほどこしたゲントを守護する龍の像が風見となって泳いでいました。 

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その真向かいにはカール五世が洗礼を受けたというゲント最古の教会、聖バーフ大聖堂⬇️。後期ロマネスクから後期ゴシックまでの様式が見られます。

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此方の大聖堂内は撮影禁止なのですが、聖堂内はとっても美しい気品を漂わせ、聖像や絵画等素晴らしい美術品を観賞する事が出来、中央祭壇も18世紀のもので、説教壇も木造で素晴らしいロココ様式、ベネルクス最大のオルガンなど、撮影禁止の為皆様にその見事な様子をご覧頂けないのが残念です。

絵画の中でも最も有名な、門外不出の祭壇画「神秘の仔羊の礼拝」は、特別な礼拝堂に置かれ、多くの方達が鑑賞しています。ヤン・ファン・アイク作の絵画ですが、輝く仔羊を礼拝している様子が描かれていまして、その綿密描写、気が遠くなるような繊細さに驚かされます。

絵画は扉を含め26枚あり、そのうち1枚は1934年に盗難に遭ったそうです。

以前訪れました際は休日だった為、教会ショップもお休みでしたので、「神秘の仔羊の礼拝」のポストカード等求める事ができませんでしたが、今回はショップが開いていましたので、とても嬉しかったです☆ 
「神秘の仔羊の礼拝」のカード⬇️本物は撮影できませんでしたので、雰囲気だけでも。

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↑盗難に遭ったのは向かって一番左下のパネルで、現在は複製のものだそうです。

上の画像の絵画を閉じるとこんな感じになります。↓

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美しい絵画を堪能しました後、レイエ川へ向かいました。⬇️画像向かって左側には劇場がありました。全てオランダ語で演じられるそうです。

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このオランダ語の謎ですが、調べてみましたら1830年ベルギーはオランダから独立して生まれたのだそうです。独立後の公用語はフランス語で統一され、裁判や書類等もフランス語が使われる時代が続いたのですが、フランス語は人々に全くわからず、判決さえ理解できない、という珍妙な事態となり、そこでゲント大学のヴィレムス博士が、オランダ語についてもフランス語と同様権利を与えるよう主張したのですって。そのような理由からフランドル地方の人々はオランダ語(フラマン語)を話すのだそうです。 
もし、引っ越し先がアントワープやゲントでしたら、フランス語など勉強する機会もなく、オランダ語は諦め、英語のみに頼っていたと思います。
そう考えますと、ブリュッセルに引越し、フランス語と出会えました事は私にとっては有難く貴重なご縁だったと思います。
夫は引っ越し先がオランダ語圏だったらなぁと、いつも嘆いていましたが。

話が逸れてしまいましたが、レイエ川へ向かう途中、サン・ニコラ教会が見えてきました。↓ まだベルフォートが建てられていなかった時代のもので、11世紀のロマネスク教会が13~15世紀にかけて建て替えられたそうです。フランス革命の間は馬小屋として使用されていたとか。

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正面から見ると↓こんな感じの教会です。

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残念ながら閉まっておりましたので、教会を後にし

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川へ向かう途中、↓マクドナルド発見。ベルギーらしいお洒落なマクドナルドですね🍔 ベルギーは世界で唯一、マクドナルドのメニューにアルコール(ビール)があるのです🍺

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そこから少し歩くとレイエ川沿いに建ち並ぶベルギーならではな建物が見えてきます。

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ゲントは中世の昔から、このレイエ川の恩恵を受けて発展した町とのこと。川岸には交易都市として栄えた時代を反映した中世の壮麗な建造物が建ち並び、この日は好天に恵まれ観光日和でしたので、船に揺られる観光客でいっぱいでした。

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美しい街並みです✨

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レイエ川沿いに歩き進みますと、フランドル伯爵城が見えてきました。

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威厳を感じるこのお城は、848年頃、ボードワン1世により造られ、その後、フランドル伯であるフィリップ・ダルザスによって軍事の拠点として1180年に復旧されたそうです。 

何度か来ては足が竦み、外側を眺めるだけに留まっていましたが、今回は勇気を出して、中に入ってみようと思いました。
(子供たちは学校の見学で既に訪れていて、子供たちから中の様子を事前に色々聴いていました)

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その昔、戦いのあった頃の古い剣や甲冑等が展示される中、進み行くにつれどんどん空気が重苦しく感じ、足取りも重くなりましたが頑張って歩み進んで行きました。

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見学している人達は談笑しながら楽しんでいる様子でしたが、私はといえば古い展示品を撮影する気持ちになれず、見学しながらただただ、悲しい気持ちばかりが募っていました。

進んで行きますと、残酷な拷問の様子や器具等、目を覆いたくなるばかりのものが展示されてあり、目を背けずこういう事実があった、ということをしっかりこの目で見学して参りました。
何故ここまで酷い事が、と、思いながら、十代の頃、ブラジルはサルバドールにある奴隷の拷問所や牢獄を見学した時のような悲しみを思い出しました。 

もう少し先を進みますと、信じられない事にギロチンの部屋があり、そのギロチンを見ると何ともたとえようのない気持ちになり、自然とギロチンの前で合掌していました。 

見学される方の中には、レプリカと勘違いされる方も多いようですが、フランドル伯爵城のギロチンの刃は本物なのです。血が錆付いた生々しい刃に何ともいえない気持ちになりました。私にはとても撮影はできませんでした。

ギロチンを見学した後、お城の主塔へ出ましたら、ゲントの中心部や郊外、工業地帯がパノラマとなって見渡す事ができました。

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主塔からの眺めに緊張の心が少し和らぎ、別のルートで戻りました。

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十字の窓から差す光に癒やされました。

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地下には地下牢があるそうですが、もう十分様子がわかりましたので見学は遠慮しました。

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フランドル伯爵城見学でお腹いっぱいになってしまい、ずっと気になっていました怪し過ぎる↓魔王ゲラルド城へは辿り着けませんでした、といいますか、この日も開いているのか如何なのかもわからず、うろうろぐるぐる入口を探したのですが見つからず断念。地下聖堂も残念ながら見学ができなくなっていました。

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魔王ゲラルド城は1245年に建てられた貴族の城塞だそうですが、何故「魔王」なのでしょう。可也怪しく不気味な印象です。中世の戦の時代が過ぎてからは、学校や病院、孤児院、消防署など多目的に利用され、現在は国立図書館なのだそう。残念ながら閉館していましたが、いつか中に入ってみたいと思いながら、結局一度も入れませんでした。

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フランドル伯爵城の見学はちょっと怖かったですが、見学の後は楽しいお買い物へ。 

フランドル伯爵城前の古めかしいポスト。↓ デュルビュイという町でも見かけましたが(またいつかデュルビュイの町のお散歩記事もUPしたいです)、こんなポストがまだ現役で活躍しているのですよね。

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こちらは↓アンティーク小物を中心に扱う可愛らしいお店、The Fallen Angels。

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親しみやすく懐かしさを感じる品々と、気さくな店員さんに心がホッと温かくなります。

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ユニークなポストカードやお店の名前の如く美しく可愛らしい天使さんグッズなどなど、時間を忘れて夢中になってしまいます。

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次に向かいましたお店はベルギー伝統のゴブラン織りのお店、Belgian Treasures。

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入口はふたつあります。

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ブリュッセルのゴブラン織りタピスリーショップよりアットホームな雰囲気&店員さんがとっても気さく&品揃え豊富なので、こちらのお店も時を忘れ、夢中になってしまいました。

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中世の頃はお部屋の壁を飾るタピスリーとして使われていたゴブラン織りですが、今ではバッグやポーチ、お財布、クッションカバー等、色々な小物が人気です。ベルギーは猫好きさんが多いせいか、猫柄が多かったです🐱
ポピーも勿論。ポピーが何故ベルギー人にとって特別なお花なのかは、以前、ブルージュひとり散歩記事⬇️にてお話しさせて頂きました。

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ゲントもとても素敵で美しく、興味深い街でした✨

今後もこんな風にヨーロッパふらり気まぐれお散歩記事をアルバムのように纏めたいと思います💖

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