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38 火沢睽(かたくけい)

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38.火沢睽カードsmallest

~ 対立し、背き離れる時、志の異なる嫁姑 ~

-   対立の象 ~ 反目し合う故引き合う妙 -

☆卦辞:睽。小事吉。(けいは、しょうじはきち)

☆彖伝:彖曰。睽。火動而上。澤動而下。二女同居。其志不同行。説而麗乎明。柔進而上行。得中而應乎剛。是以小事吉。天地睽而其事同也。男女睽而其志通也。萬物睽而其事類也。睽之時用大矣哉。
(たんにいわく、けいはひうごきてのぼり、さわうごきてくだる。にじょどうきょして、そのこころざしはおこないをおなじくせず。よろこびてめいにつき、じゅうすすみてのぼりゆき、ちゅうをえてごうをおうず。ここをもってしょうじはきちなり。てんちそむきてそのことおなじきなり。だんじょそむきてそのこころざしつうずるなり。ばんぶつそむきてそのことるいするなり。けいのときようおおいなるかな。)

☆大象伝:象曰。上火下澤。睽。君子以同而異。(しょうにいわく、うえはひしたはたくなるは、けいなり。くんしもっておなじくしてことなるなり。)

キーワード:
見込み違い、異なる、予定変更、誤解、錯覚、背き合う、疑い、白眼視、過失、二女同居して争う、噛合わぬ睨み合い、嫁姑、お局様と新人、歳の差のある女性二人が対立、いがみ合い など

☆序卦伝:「家道窮すれば必ず乖(そむ)く。故に之を受くるに睽を以ってす。睽とは乖(そむ)くなり。」
外に出かけて傷ついて敗れ、失敗して家に帰る時、その禍は家庭にも及び、家庭も禍を被る事は免れないので、家の道が行き詰まり困窮する時は、父子兄弟夫婦などの間に意志の疎通を欠いて、感情の融和を失い、色々な食い違いが生じてしまいます。ですので家人の卦の次にこの火沢睽の卦があるのです。睽とはそむく事で、人々の意志感情が食い違うことです。ある人はこうしたいといい、ある人はああしたいと言い、色々な人の考え方が皆異なり、小さく言うと家の中が一致しなく、大きく言うと一国が一致しないのです。もっというと、ひとりの身について言う時は、自分の心の中に、ああしたいと思う心と、こうしたいと思う心と、二つ以上の矛盾した考えが入り雑っているのもこの卦を表します。睽という字は、ひとつの団体、若しくは個体の中に矛盾した考え方が色々あって、内部が統一していないということです。このような状態では、全ての事が上手く運ぶことがありませんよね。こういう場合に処する道、またはこれを上手く利用する道を、この卦では説いているのです。

★解説&運勢★

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