～　未だ済わず、未完成　～

－　未完成の象　〜　未完の大器　終りなき変化　無限の歩み　－

☆卦辞：未濟。亨。小狐《氵|乞》濟、濡其尾。无所利。（びせいはとおる。しょうこほとんどわたらんとし、そのおをぬらす。よろしきところなし。）

☆彖伝：彖曰。未濟亨。柔得中也。 小狐《氵|乞》濟。未出中也。 濡其尾。无攸利。不續終也。雖不當位。剛柔應也。（たんにいわく、びせいはとおるはじゅう、ちゅうをうればなり。しょうこほとんどわたらんとすとは、いまだなかをいでざるなり。そのおをぬらす、よろしきをところなしとは、つづきておわらざるなり。くらいにあたらずといえども、ごうじゅうおうずるなり。）

☆大象伝：象曰。火在水上。未濟。君子以愼辨物居方。（たんにいわく、ひ、みずのうえにあるは、びせいなり。くんしもってつつしみてものをべんじほうにおく。）

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未完成、未熟、不体裁、未解決、女性上位、男性窮する、中途半端、背き離れる、進行半ば、背伸びして失敗　など

☆序卦伝：物不可窮也，故受之以未濟終焉。「物は窮まる可からざるなり、故に之を受くるに未済を以ってして終ふ。」
既済の次に、未済の卦があります。既済の卦において、物事がことごとく成就しますが、世の中の物事というものは、これが最後、終わりというような窮極はないのです。色々な物事が上手く成就しても、その後からまた、その後から、と、次々に続々とまだ完成されない様々な事が、永久に出て来るものですよね。ですので既済の次に未済の卦があって、未済の卦を以ってこの、易の六十四卦は終わるのです。未済は、未だ成らず、という意味で、物事がまだ完成されていないのです。広くは宇宙においても人間世界においても、一個人においても、物事が残らず完成することなど永久にないのです。後から後から次々、続々とまだ完成されないことが出てくるものなのです。永久に完成ということがないのが、宇宙の理であって、人間界の理なのです。なのでこ卦を六十四卦の最後に敢えて置くのですね。

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