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2019年の目標「30歳過ぎてバイオリンを始める」を達成して初めて知った3つのこと

2019年の目標、仕事やプライベートの目標はいろいろあったのですが、唯一ただの人間として立てていた目標「楽器を始める」について年の最後に振り返りたいと思います。

家でゴロゴロしてた年末年始に見たドキュメンタリー

昨年、12月30日になって旦那氏がインフルエンザを発症し、帰省その他の予定が全部飛んで、家でじーっとしているしかなくなった年末年始。元気だけど動けなくなった私は、仕方なく普段から見ているNetflixとAmazon Primeに加えてHULUも臨時契約し(『侍女の物語』を見た。面白かった)、テレビの前でぐだぐだお正月を決め込むことに。これはこれで貴重な経験で楽しかった。
そんな中見たのがEテレでやってた「奇跡のレッスン『楽譜が物語に変わるとき 弦楽器 ダニエル・ゲーデ』」。

弦楽部がある千葉の小学校の小学生(充実した情操教育…)のレッスンを世界最高峰のオーケストラ、ウィーン・フィルのコンマスだった世界的なバイオリニスト、ダニエル・ゲーデさんが見ることで、どんどん演奏が芸術的になっていく様子がありありと映し出されてて、「音楽を学ぶ」って本当に素敵だなあ、とぼーっと思っていた。そんなところから、「楽器を、バイオリンを始める」というのがぼんやりした2019年の目標になった。

30歳を超えて新しい楽器を始めて、初めて知ったこと3点

と言いつつ、夏が終わるまでなんかバタバタしていたこともあり、10月に入ってやっと「あ、今年の目標バイオリンを始めることだった」と思い出して行動し始めた。まずは自宅と勤務先からアクセス可能で、大人でもバイオリンを始められそうな教室を探すことに。大人の音楽教室のお稽古ではサックス、そしてピアノがメジャーな印象、バイオリンが習えるお稽古場は少数派でここで結構絞られる。2箇所で体験コースに行って一つに絞り、なんとか11月からバイオリンを習い始めることができた。ちなみに、初心者が体験に行っても良し悪しがわかんないんじゃないかな、と思ってたけど、レッスンの進め方、教材の選び方、教師や教室の雰囲気など、2つ以上いくと個性がかなり出るので、初心者であっても自分に合うか合わないかというのは感じやすかったです。そうやってレッスンを始めて、感じたことが3つあるので書き留めます。

1. 誰からも求められていない、「ただ私がやってみたいだけのこと」に時間やお金を投資することはとても勇気がいるということ

バイオリンを始めてから、というよりも、始めるまでに一番感じたのはこれ。私にとっては「ただ私がやってみたいから」という理由で何か始めるのがとても勇気がいるということ。
これが例えば、「仕事で必要になるからXXを学ぼう」とか、「XXを学んでおけば誰かの役に立つから」とか、誰かからの要請に応えるものだったら、私はお金も時間も割と簡単に投資できる。でも、一番肝心なはずの、「自分がやってみたい」という気持ちに応えるためだけに時間とかお金を投資するというのは、何かわがままを言っているような、悪いことをしているような、もっというと、無駄遣いをしているような気がして、今まで後回しに後回しにしてきてしまった気がする
でも、勇気がいるからこそたまには思い切ってやらないと、「何を自分の心が欲しているのかわからなくなってしまう」ようにも思うので、今回思い切って始めて良かったように思う。

2. 楽器を練習する環境をどうやって作るか

現実的に一番心配してたことはこれ。そもそもバイオリンって、どこでどうやって練習すれば良いのだろう、ていうか、バイオリンってどこで買うの?買わずにレンタルしながら練習する、という方法ももちろんあったのだけど、過去の経験から「楽器買わなかったら絶対練習しないだろうな」という確信があったので、買うことにした。バイオリンの良し悪しも、妥当な金額のバイオリンも全然わからなかったので、葉加瀬太郎さんのこのページを参考に島村楽器で購入。すごく勇気がいる買い物だった。

そして、バイオリンはピアノの比じゃなく音が大きいので、家から徒歩7分のところにあるカラオケを練習場に。カラオケで楽器の練習ってやっていいのか怖々行ってるけど、今のところ断られたり怒られたりする事象はゼロ。家の近所のカラオケ店が意外と繁盛していることを知る。(行って部屋が空いてなくて帰ったことがちょくちょくあり)
近所に川があるので「川原でバイオリン」策も考えたのだが、練習を始めてすぐに寒くなったので断念。(でも、現実的に、調弦したり楽譜置いたりすることを考えるとやっぱり川原でバイオリンって難しいんじゃないだろうか)
カラオケに行ってしっかり練習できるのがせいぜい週に1回とか2回なので、それ以外のタイミングは先生に教えてもらったピチカート奏法(ギターみたいに爪弾いて弾く)で練習することがちょこちょこあります。

3. 大人になったからこそ感じる「音楽を学ぶ」ことの面白さと贅沢さ

子供の頃にピアノを習わせてもらっていたのだけど、子供なので、「どうやったら30分ピアノ練習したことになるかなー」と思いながらピアノの前で座ってサボることばかり考えてた。

それに比べると、練習できる頻度が少ないこともあり、「キラキラ星変奏曲」とか「結んで開いて」とか、初学者用の曲を練習しつつ毎回の練習中にわからないこと、できないところをメモしといて先生に質問。二週間に一回しかレッスンがないので、その日に先生に言われたこともなるべく覚えておいて帰りの電車でスマホのメモになるべく書き写す。少しでも先生の演奏に近づけるように、どうやったら綺麗な音が出るのか、つっかえずに弾くことができるのか考えながら練習する、というのが大人になってから音楽を学ぶということの醍醐味だなと思った。やらなくてもいいことをわざわざやっているからこそ、一生懸命勉強しようと思える。

あとは、「音楽」という芸術を一対一で先生について教えてもらうこと、最高の贅沢だなとつくづく感じられる。

常に「レシーバー」であることへの疑問、「プレイヤー」になることへの憧れ

自分はもともと「Performing Arts/舞台芸術」が大好きで、劇場に行くのが好き。20年近くずっとヅカオタ(宝塚が大好き)で、海外旅行に行ったら必ずオペラ座とか劇場の舞台裏ツアーに行く。今までウィーンの国立歌劇場、ミラノのスカラ座、ブダペストのハンガリー国立歌劇場は舞台裏を回ったことあり。(パリのオペラ座だけは行ったことないのが悔やまれる。)旅行中は事前にドイツ語だの英語だのの怪しげなサイトをGoogle翻訳見ながらミュージカルとかバレエのチケット取って観劇プラン必ず入れる。(そういえば今年のゴールデンウィークはもともとロシア旅行の予定でマリインスキー劇場も制覇するはずだったのに断念したのだった。残念。)

そんな感じで観劇好きであることにはなんの疑問もないのだけど、唯一よく思っていたのが、「観劇っていう趣味ってずっと受け身だな」ということ。素晴らしいパフォーマーの方が命を削るようにして作り上げた芸を、ただ「見せていただく」ことが趣味。常に「レシーバー」。自分も「プレイする側に回ってみたい」。そういう思いがずっと心のどこかにあって、去年の年末年始、Eテレの弦楽器レッスンのドキュメンタリーもきっかけに、「新しく楽器始めるってアリかも・・・今まで全くやったことないけど・・・バイオリンとか・・・・」というのが2019年の目標になった。まだしずかちゃんのようにギコギコ弾いているだけだけど、2019年はプレイヤーの側に一歩踏み出せたことはよかったなと思う。

ということで以下はおまけの今まで行ったことある劇場特集です。

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エリザベートをウィーンでみたことは一生の宝物。

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ウィーンのオペラハウス

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ウィーンのオペラハウスのバックステージツアーは日本語ツアーがありました(2013年当時)

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多分これがミラノのスカラ座

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