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春に観るリップヴァンウィンクルの花嫁の景色

『リップヴァンウィンクルの花嫁』の主人公、七海は4/1生まれ。
4/1が何の日なのか、それは人の数だけ在るでしょう。
意味の無い日、特別な日。
映画を観て、私は七海を、錨も帆も持たない小さな舟のようだと思いました。
嘘を、真実だと見れば、その人の真実です。
小さな世界の本物の景色です。

嘘を生み出す日など決めずに楽しむ人、それを仕事にして、実質、人の役に立っている人。
七海の人生に介入する何でも屋の安室。
この映画に安室は何故いるのか、意味はあるのかと考えた時に、思ったのはこんなこと。
出会うか出会わないか、出会って重きを置くか受け流すかの違いだけで、彼はどこにでもいる神様であり、邪魔者なのだろう。
七海は自分が振り回される舟であることに気付かない、真っ直ぐに現実を受けとめる、もしかしたらどこにでもいる幸せ者なのかもしれません。

映画の風景は雨でも晴れでも憂鬱ではなくて、七海の感覚で作られていました。
傍観者の私はそう思ったので、憂鬱ではなかった。

春の始まった外に出て、七海は微笑んでいました。
新しい嘘の世界で全てを本物だと思って、素直に生きていく様子が見えました。
人は、みんな正しいです。一番、自分が清くて正しいのだから。
この映画は、私たちのそばに在る、人生です。

#映画感想文 #ネタバレ
#リップヴァンウィンクルの花嫁

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