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《詩》-春告鳥-vol.54



桃花水とうかすいの流れる音が聴こえてくると

私は目覚める

 
春・告げる・鳥


 
夢見月ゆめみづきより息吹を吹き込まれ

大空を翔たいてゆく

 
梅桃ゆすらうめの実を見つけ堕としてみるならば

緩やかな大地が受け止め

春の瑞枝は葉を揺らし雫を溢す


鳴糸めいしの音色に誘われて

瓦屋根に留まるれば

愉楽の時に羽根を休めし 

春を待つ ―――


 
惜春の想いを抱いて 

遊離の里へ流れよう



春の弓張月ゆみはりづきの嫋かな曲線がいざなう 

春の国へ
 


私は 春告鳥はるつげどり ―――



-春告鳥-




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