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子供はわかってあげない

どんどんいきます。
今日はこれ。
昨日、8月20日、ついに全国公開スタートでした。

沖田監督は、去年の「おらおらでひとりいぐも」に、くんく(宮藤官九郎さん)が「寂しさ3」という役で久しぶりにガッツリ映画に出るっていうから、主人公の桃子さんと同い年の母を連れて観に行ったのが出会い。
まぁ、世間の沖田監督ファンからすれば遅いです。
でも、この方の描く世界観、なんていうか、みんな思うのかもしれないけど、すごく波長が合ったんです。
小学校の同級生みたいな感じっていうか…。
これだけかと思ったら、「モヒカン故郷に帰る」も「南極料理人」も同じだった。
なんか、同じ世界の住人みたいに勝手に思える監督です。

前置きがめっちゃ長くなりましたが、そんなわけで千葉雄大くんが出るからと認識していた「子供はわかってあげない」が、その沖田監督作品だと分かった時(「おらおらで〜」を観た後だから、去年の秋くらい?これまた遅っ)に、明ちゃんじゃないけど、「来るよ、来るよ〜!」とワクワクが止まらなくなったのを覚えています☺︎

主人公の美波ちゃんともじくんが高校生だから、ティーンの甘酸っぱい青春映画かなんて、沖田監督なんだからそんなわけない。
明ちゃんも、美波のお母さんも、今お父さんも、ホントお父さんも、晴雄も、仁子ちゃんも、なも、みやじも、みんなみんなみんなひっくるめて、夏の日差しと青い空と海と風とプールと風鈴と墨汁の匂いの夏の真っ只中で、青春を背負って笑っている。
だけどみんなちょっとずつ胸に秘めたものがあって、だから美波は真面目になればなるほど笑っちゃうし、明ちゃんはすぐに泣いちゃう。
そんな映画だった。

「若いっていいなぁ✨」なんて遠い目をする、そんな映画じゃない。
何歳であってもみんなよくて、みんな自分の世界で精一杯生きている。
美波は高2にしてようやく孤独から抜け出せたし、もじくんはずーっと見てきた(だよね?きっと。原作読んでないからわからないけど、そのはず)美波の手をようやくつかめたし、ホントお父さんはちゃんと娘に見つけてもらえたし、明ちゃんは若い子のために尽力することで過去の自分を救えたし。
みんなが汗をかきながら生きている、そのちょっとした休憩時間に飲んだ氷入りの麦茶が、喉を滑っていくような、そんな映画だった。

「おらおらで〜」の時は、おにぎりに味噌を塗るシーンで泣けて泣けて仕方なかった。
今回は、うどんとバナナを食べるシーンであんなに泣くとは思わなかった。
わたしのふたつ隣(ディスタンスなので隣は空いてる)に座ってた、誰ファンかわからない若者男子も同じところで泣いていた。
感受性に訴えるスイッチは、全年齢に向けられていて、キャッチした人は同じところで泣くんだなと思いながら、うどんをすすってこれを書いている。

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