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【詩】「愛」(大川隆法「青春詩集 愛のあとさき」より)

いつも記事に目をとめてくださり、本当にありがとうございます。

私の記事では、大川隆法先生の累計3500回の法話、3100冊以上の著書の中から、おすすめの作品を紹介しています。


大川隆法先生が20代の頃に書かれた青春詩集、「愛のあとさき」。

今回は、その中から、詩「愛」をご紹介したいと思います!

「愛」は実体験を元に作られた詩。

時を超えて楽曲としても結晶化しています。

ご興味のある方はYouTubeでも一部視聴できますので、ご覧ください。


「愛」


いえなかった

そのひと言が

言えなかった


講義は終わり

人はまばらに

そして君は

スロービデオのように

ゆるゆると立ち上がり

白いセーターのふくらみに

黒いコートをそっと羽織った


夢みるように

小さく吐息したあと

しなやかな指が

ひとつ また ひとつと

ボタンをかけて言った


やがて 指の動きがとまり

君はもの想いげに前を視

それでも何かをまっていた



いえなかった

そのひと言が

いえなかった



僕は

赤くなり熱くなり

吐く息を白く震わせて

隣で胸の鼓動を数えていた


突然

小さく口唇をかみしめると

君は蝶のように

身を翻した



あとには

しーんとした大教室が広がり

僕のこころが

蛍光灯の光と

白さを競っていた


ただ

与えるだけでよいのだ


得ようとするからこそ

苦しいのだ


ただ

与えるだけでよいのだ


得ようとするからこそ


苦しいのだ


【感想・気づき】


大学での素敵な女性との出会いが、ありありと思い起こされますね。

片想いの女性に声をかけたいけれど、なかなか声をかけれないもどかしさ。


きっと、彼女の方も同じで、声をかけてもらうのを待っていたのではないでしょうか。

いえなかった、その一言は、

きっと、「好きです」ではないかと思います。


ただし、後半の歌詞で「僕」は、

「ただ 与えるだけでよいのだ

得ようとするからこそ 苦しいのだ」

とされています。

「相手に声をかけたい」「仲良くなりたい」という気持ちから、「愛を与える」ことだけで満足する境地へと変化していることがわかります。


これは実際に、ご本人が学生時代に書かれた「愛」の詩と、

20代後半で書かれた

「ただ 与えるだけでよいのだ
得ようとするからこそ 苦しいのだ」

の一節が合わさって一曲になっているため、

最後の結論がグッと洗練されているそうです。

20代後半になってからさらに一段、「愛に関する悟り」が深まっている証拠のようなものでしょうか。


学生時代の相手を想う瑞々しい感性

愛の本質とは与えることだ、と悟った後の境地


この融合が、「愛」という歌詞に大きなインパクトを残していると思います。

私も願わくは、

ただ 与えるだけでよいのだ

得ようとするからこそ 苦しいのだ

と言えるような境地で、日々を過ごしていきたいと思います!



拙い感想を、本当にありがとうございました♪



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