【ショートストーリー】Vol.2 真冬のソフトクリーム
「いろんなことあったけど、全部忘れた」
そう言う高橋くんという男の子の横で、ソフトクリームを食べているわたし。なかなか絵になると思う。
「寒いなぁ」
「当たり前だよ」
ほんの少し笑いながら高橋くんという男の子は、巻いていたマフラーをとってわたしにくるくると巻きつけた。
「ありがとう」
それで、と聞きたかったけど飲み込むことにした。高橋くんは、本当に何もかも忘れてしまったのかもしれない。そんなのぺっとした顔をしていた。決して嫌いじゃない。この子のこと、わたし好きになるな、と直ぐ