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自然とともに生きること

2019年の夏至、新コロナウィルスがなかった最後の年にフィンランドを訪れていた。

空港に着いてホテルにチェックインするとその足で少し郊外のお祭りが行われている公園に向かった。子供の頃読んだ「リーサの庭の夏祭り」という絵本に出会って以来、憧れていた北欧の夏祭り。

公園に向かう途中、バスに乗ってきた女の子の頭にはマーガレットの花かんむりが乗っていて…あぁこれが私が求めていた「リーサ…」の世界だ!と一気に期待値が上がります。

湖に浮かぶ島の中にある公園には北欧各地の伝統的な民家が建てられて普段でも伝統文化を体験できる公演として楽しまれているのですが、夏至のお休み(フィンランド では夏至を含む1週間はほとんどの公共機関がお休みになります。)の間はさまざまなイベントが行われている…と公園のホームページに出ていたので楽しみにしていました。

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バスを降りると公園の島に橋を渡って入ります。

日本感覚の私は公園に行くのに…ついついもう夕方⁉︎と思ってしまい急いで現地に向かおうと努力してしまうのですがこの時点で18時、陽射しは真っ昼間。しかも誰も急いでいないし、パンフレットを見るとお祭りのメインイベントは全て21時以降。まぁこれが夏至の夏至たる所以。

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私はゆっくり島の中の家やお店を見たり、芝生のレストランでご飯を食べたりして過ごしましたが、それでもまだまだ時間がある。

…さて、他のフィンランド人達はどう過ごしているのか?

やはり、ゆっくりゆっくりただただ自然の中で過ごしている。林の中をうろうろ歩いたり、石に座って湖を眺めたり、ベンチでぼぉ〜っとしていたり…

ようやく野外の舞台で民族舞踊や歌の披露が始まっても、観たい人は観る、のんびり通り過ぎる人もいる、踊りたい人は一緒に踊る、至ってマイペース。

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とにかく北欧の夏祭りは一年で一番長いこの一日を自然とともに過ごす事に専念するのだ。そして専念の仕方は至って自由。

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生い茂る緑とお日様をとことん感じる日。

後で読んだのだけれど、夏至が元気なお日様を満喫する日ならば冬至は弱ってしまったお日様を応援する日らしい。夏が短い北欧の人たちはそれだけお日様に敏感に暮らしている。そして、お日様の賜物である木や草花をことの他愛している。

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自然とは特別なことではなくて…

触れて感じて共にある。

改めて北欧の夏至に気が付かされたのです。

万里子

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