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毎日夢を見ている

自分の葬式にいる夢を見た。
夢の中の会話から推測するに、正確にはお通夜なのだと思うのだが。

場所は母の実家で、時刻は夕方、もう日が沈んだ直後のような、真っ暗ではないけれど薄暗いような様子だった。

母がいそいそと外に出て行った。
私は玄関のすぐ隣にある居間にいたのだが、玄関からお寿司のデリバリーの人が入ってきて、丸くて柄入りの重ねられる寿司が入ったお重を持ってきた。
支払いをして欲しいと言われ、なんでネットで会計を済ませていないんだろうかと思いながら、おいくらですかと聞けば、7200円だと言う。「現金か〇〇で」(〇〇のところはうまく聞き取れなかったがオンライン決済の何かだと認識していた)
困ったなと思いながら財布を開けてみたら、記憶とは違うが確かに1万円札と思われるものが入っていた。寿司デリバリーのお兄さんが急にお釣りあるかなと困り始める。そう言われてもこっちも困る。

そうこうしている間に、どんどん人がやってくる。裏庭の工事の車両も玄関脇から通過して何台も裏の方へ進んでいくのを違和感なく見送る。

私はなぜか玄関からすぐの仏壇がある広い畳の部屋に低い机を用意し、襖を開け放して玄関に正面から向かい、その机で紙に何かを筆で書きつけていて、まるで簡易的に受付コーナーを担当しているかのような様子なのだが、とにかく次々に人がやってくる。

あまりにも来客が多すぎて、上下ショッキングピンクのスーツを着た上品な感じの女性が丁寧に訪れてきて「おうちの中を見せていただいてもいいでしょうか」と言ったのに対し
「明日葬儀なんで今それどころじゃないんです!」と叫んでしまっていた。
ショッキングピンクのスーツの女性は「あ、あの、ご葬儀は明日どちらで?」と聞いてくれたのだが、葬儀の案内用のハガキを渡したかったのにすぐ手元になく、投げやりな勢いのまま「能代市の方です」とこれまた大声で叫んでいた。
私の尋常じゃない勢いに押された女性は申し訳なさそうに玄関から帰っていった。

なぜ話題の「明日の葬儀」は自分の葬儀だと気がついたかといえば、それを最初から知っていた自分がいたことと、夢の中の登場人物にも私のことが見えている人と見えていない人がいたからだ。
母には私は見えていなかった。
お寿司デリバリーのお兄ちゃんや他のお客様の何人かには普通に生きている人かのように見えていたようだった。

自分の明日の葬儀場のことを叫んだ後、夢から覚めた。

最初に思ったのは「あの寿司、何?」だった。
お寿司の配達なのに、なぜか一緒にくすみピンクのカーネーション10輪ほどの花束も届けられていた。寿司と花束。7200円。

最近こんな感じで毎日詳細な夢を見ている。
私の中では夢には2種類あって、一つは明らかになんらかのメッセージ性があってそれを受信したもの。もう一つは単純に夢を見たんだなというもの。
最近続いている夢は後者で、しかし結構な長編映画を見ているかのような感覚なので、起きた時に疲れている。寝たのに疲れることほどガッカリすることはない。

夢は毎日見ていない人はいないという説もあり、夢を見ていないと思っている人は起きた時に忘れているだけだという話なのだが、夢を見ない(すっかり忘れ去ってから起きる)という状態を自分で選択できないところが厄介である。

しかしせっかく見たので、何気なく検索してみれば、夢占い的には自分の葬儀の夢を見るのは非常に良い夢なのだそうで。
そうですか。はい。
睡眠の疲労が少し和らぎました。はい。

寝ても疲れる。寝なくても疲れる。
これはひとえに、暑さのせいであろうと分析する。
秋をください。
翼は今の所いらないです。

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