見出し画像

靴下の罠



ようやく秋が来た。

窓から見える山に紅葉が始まりそうな気配を感じる。

よかった。私が生息できる状況になった。
一昨日あたりから、ようやくちゃんと呼吸している感じがする。

しかしそれにしても今年の夏はひどかった。
近所の友達のアメリカ人も、「4ヶ月だぞ、4ヶ月!年々日本の夏はひどくなっている」と嘆いていた。よかった、私の感覚がおかしくなったわけじゃなく、今年は本当に暑かったというので合っていたらしい。

さて楽しい楽しい寒い季節の到来で、ウキウキしながら靴下を買い足しに出かけた。
ちょっとしたウォーキングがてら歩いて近所の無印良品の店舗へ。
外を歩けるって素晴らしい。日傘はまだ必須だけれど、それでも家を出たら少し肌寒く、目的地に着く頃にはちょうどよく体がポカポカしているこの感覚。立ち止まり上着を脱ぎさえすれば素早く体を冷やせる外気温の素晴らしさよ。温まった体がギュンギュン冷えていく感覚は何度味わってもたまらなく好きである。

靴下については以前、書いた記事があったのだが、


あれ以来、必要な枚数は変わっていない。

そしてなんと、履き潰す予定だった残りの2足が、長い長い夏のせいで全く活躍の場がないまま、秋になってしまったので、買い足すのは1足で間に合うことになった。

無印良品の靴下売り場へ向かう。
衣類コーナーは秋冬のもので埋め尽くされ、あったかインナー的なものから起毛素材の服まで、あらゆるところがホワホワモコモコとしていた。

基本的に暑がりだし、なるべく重ね着をしたりしなかったりで長い季節を通して着られるものを選びたいと思っている私は、起毛系の服は全てサヨナラしている。フィンランドあたりに住むことになったら再考するが、日本のしかも関東ではもうモコモコな何かを買うことはないだろう。

秋冬は靴下売り場も充実しているが、ここで私としたことが危うく買え買えトラップに引っかかりそうになった。
靴下の売り方に散見される「3足買ったら980円」的なアレである。
無印良品も例に漏れずそのセール手法をとっており、「この印が付いたものは3足でお得になります」的な売り方をしていた。もちろんそれらの靴下を1足で買うこともできる。
そしてもちろん1足だけ買うと3足まとめて買った時よりも1足分が割高になるように価格表示されている。

冷静になってみれば何が「せっかく」だったのか全く意味不明なのだが、売り場にいた私は「せっかくだから3足買おうかな」と最初に選んだ1足を手にした後、残りの2足を選び始めていた。
なんとなくこれかなという2足目を多少無理やり手にしたものの、3足目が決められない。
モヤモヤとした気持ちになり、立ち止まった。
いや待て。3足買ったら1000円くらい使ってしまうが、1足なら390円で済むんだよ。600円損して無駄なものを増やしてどうするのよ。

危なかった。危うく罠にハマることろだった。

私は靴下は3足持っていれば充分なのである。
今1足買い足して、家にある2足は今年の秋冬で消耗するとしても、次に買い足すのは多分来年の秋だよ。じゃあ、今3足買ったら靴下が全部で5足になってしまうんだよ、それは持ち過ぎだろう。

危ない。本当に危ない。

3足まとめ買いをすることによって、お得に買えて尚且つご自身の必要枚数がちょうどよく揃うのなら、ぜひ3足で買うのがよろしいかと思う。必要じゃないなら、それはお得な買い物ではなく単なる無駄遣いだ。

そういうわけで、靴下を買い足しに行った日の私の足は素足にサンダルだったので、やっぱり今日買った靴下も長持ちしそうなのであった。

脱・無駄な買い物。

今期も気を引き締めます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?