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6 steps ○ 再会する

トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)でやっている「6stepsを置いてみる -TOKAS本郷編-」に行ってきた。

陽の光がしっかり入るお部屋の中に、公演で演奏した6段の階段と、初対面の6段のスケルトン階段がいた。よっ、久しぶり。と言いたくなるくらい距離の近い存在になっていたことに気づいた。
6段の階段が置いてある状況は、何度見ても「6段の階段が座っている」であって「立っている」に思えないのが不思議だ。15時に訪問したときは、足を伸ばして日向ぼっこしてるように見えた。

準備する

昨年秋から始まった作曲家・松本真結子さんとのクリエイションは、実験・遊びの連続だった。発起人の木村玲奈さんのお家の一室をお借りしてのリハーサル。叩いて、触って、登って、降りて、音を探す。だけでなく、木村さんの淹れてくださったコーヒーをいただいたり、シチューやケーキをいただいたりした。座って、寝転んで、過ごした。

公演時は、演奏会の形式を取りつつ、各曲がシームレスに繋がるような上演方法で行った


プログラム


《組曲》6 段の階段のための(世界初演)
作曲:松本真結子(b.1994~) 協働者:中野志保(b.1994~)

Iプレリュード(前奏曲)
揺れる金属、階段のための

IIインターリュード(間奏曲)
2種類の白い球体・階段のための

IIIユーモレスク(奇想曲)
4 つのマレット・階段のための

《ラブ・レター》
ソロハンドドラムのための(2011)
作曲:リザ・リム(b.1966~)
解釈:松本真結子/中野志保 (休憩)

《方向のイヴェント:ヴァージョン2012》 (1964/2012)
作曲:塩見允枝子(b1938~.)

《スコアI》
6 段の階段のための(世界初演)
作曲:松本真結子 協働者:中野志保


振付書や階段とのセッションを手がかりに、既存の曲2曲を選曲。加えて新作初演を3曲行った。

既存の曲に関しては、
Peter Ablinger《scales》
John Cageの《suite for toy piano》
なども候補に上がっていたが、今回は階段のもつ特徴と音の面白さを提示できる2曲を採用することになった。

新曲に関しては、松本さんとの実験から生まれた発見が散りばめられている。階段を鳴らす/階段を上下する/階段で鳴らす/階段から眺める/階段につどう、、など。
自分がこのノートで「6 steps ○〜」と綴ってきたのも、助詞の変更が柔軟にできることに魅力を感じたからだ。

上演する

客席は2公演とも賑わっていた。発起人の木村さんがダンサーであることから、来場者の多くは恐らくダンス公演を見るような視線で私たちの演奏を見るだろうと思っていた。
思っていたものの、、。公演初日、なにももたない状態で上り下りするという最初の動作で、いままで体験したことのないくらいひどい緊張。自分の身体を見られているという過剰な意識に、足は震え、どうしたら歩けるのかがわからないくらい。どうしようどうしようと思いながら、階段に向かう。頭はパニック足先は冷たい。おろおろ。
来場者に背を向け、階段を見上げたときの安堵感は忘れられない。楽器を持ったら少し安心。耳が助けてくれる。無事終演。
2公演目は照明のあさこさんのアドバイスで暗転開演をやめた。すこしだけ、怖さがなくなった。夜はチー・プロさんの公演を鑑賞。私たちとは全く違うステージになっていた。ななこさんの背中はとてもかっこいい。自分の体験と鑑賞で「身体ひとつで表現すること」への強さを感じた。

振り返る

玲奈さんの美味しいごはんをいただいています


1月、東京郊外の静かな場所「糸口」で振り返り会。木村さん&出演者4名&見守り人・宮下寛司さんで振り返りラジオを録りました。インスタライブにもその様子が残っています。のほほんとした気持ちで聞いてみてください

再会する

そして今日、TOKASにて再会。よ、久しぶり。あたたかいコミュニケーションと新しい試みに溢れた空間だった。TOKASはかなり音が響く。たくさんの音をだし、目いっぱい遊んで、気づいたら自分では一枚も写真を撮らずに帰ってきてしまった。きっとまたすぐ会えるよね

TOKASでの今回の展示は明日まで。
ぜひ足を運んでみてください。

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