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今年は、私も誰かのサンタクロース。

久しぶりに夫が息子を連れ出してくれて生まれた自由時間。朝から自分のペースで家事をして、妊婦健診のために婦人科に行って、好きなカフェでのんびりして、楽しい時間を過ごした。

本屋さんにでも寄ろうかな、ふとそう思い立って車を走らせた。特に目的はないけれど、ふらっと本を眺めて自分や息子のために本を1冊ぐらい買ってもいいなぁ、なんて思いを巡らす。

本屋の入り口を入ると、一つのポスターが目に入った。

「ブックサンタ」という、NPOと全国の書店が連携して、色んな事情からクリスマスプレゼントが届かない子どもたちへ本を贈るという素敵な企画だ。私もこの前noteで参加されたという方の記事をいくつか読んで企画を知り、機会があれば参加してみたいなと思っていた。

普段のように息子が一緒だと難しいけれど、今日はちょうど一人でゆっくり本を選べるタイミング。今だと思って絵本コーナーへ迷わず向かう。

小学生向けの本が不足していると書いてあったので、なるべく小学生の子でも楽しめるような絵本を探す。クリスマスに合わせたキラキラとした絵本が所狭しと並んでいて、眺めているだけでも胸がときめいた。

割とフィーリングで選ぶタイプなので、表紙を見て絵柄がかわいいなと思ったものをパラパラとめくり、お気に入りの一冊を選んだ。

シリーズ物で2種類並んでいて少し迷ったけれど、こちらの絵本を贈ることに決めた。温かなタッチの絵なので、これを読んで心が少しでもあったかくなればいいなぁ、なんて思いながら。

いつものように自分や息子のために買うのとは違って、顔の見えない誰かへのプレゼント。どんな絵本がいいかな、喜んでくれるかなと考えながら絵本を選ぶのは、想像以上に楽しい時間だった。

まるで自分がサンタさんになったかのような気持ちで本を抱えてレジに並ぶ。ちょうど隣のレジでも小さい赤ちゃんを抱っこしたお母さんが参加していて、なんだか嬉しくなった。私も少し大きくなった息子に送るような気持ちで、書店員さんに絵本を託した。

ブックサンタのステッカーをもらい本屋さんを出ると、すごく心が温かくなるのを感じた。自分や息子への本は買わなかったけれど、代わりに素敵なクリスマスプレゼントを贈ることができた。そう思うと、たまらなく嬉しい気持ちになった。

息子は2歳になったばかりなので、まだ私自身がサンタさんになってクリスマスプレゼントを贈ることはしていない。だけど、今年は私も誰かのサンタクロースになることができた。

自分が心を込めて選んだ一冊の絵本で、誰かが笑顔になってくれることを願って、家路に着いた。