#医療費全世代公平に3割負担に

#医療費全世代公平に3割負担に このハッシュタグによる活動を初めて2週間ほどになる。
きっかけは以下のツイートである。

75歳以上の後期高齢者の医療費自己負担について、現在では原則1割、年収383万円以上の人は3割を負担することになっていた。2022年10月からは新たに単身で年収200万円以上、複数人世帯で合計320万円以上の人を対象に2割負担となる。これは菅政権が2021年2月に閣議決定した政策であり、不妊治療の保険適用、携帯料金値下げと合わせて現役世代の負担軽減に熱心であった菅政権の功績と言えるだろう。このツイートはそれに反対するものである。一見分からないがこの中央社会保障推進協議会というのは共産党系の団体である。制度変更を目前に控えて、他にも数多くの共産党系団体が #75歳医療費負担2倍化やめて というタグでツイートや署名集め、街頭演説、デモ等の活動をしている。

この記事によると、単身で年収200万円以上の対象者は約370万人でありこれは後期高齢者全体の23%を占める。この施策により現役世代は年間720億円の負担軽減となる。これは過去の経緯を踏まえると大きな一歩ではあるが、医療保険の改革としてはまだまだ不十分と考える。
現在の医療保険制度は年齢や所得によって自己負担割合が1割~3割まで細かく分かれているが、これは不公平だ。そもそも日本ではお金が無い事を理由に必要な医療が受けられないことが無いよう、高額療養費制度というものがある。これは年齢や所得に応じて月ごとの医療費自己負担の上限額を定め、それを超えた分を全額支給する制度である。この制度がある以上、医療保険は全世代で一律3割負担でよいのではないだろうか。そう考えて #医療費全世代公平に3割負担に  というタグでツイートを始めた。主に2負担に反対しているツイートに対してのリプライ、引用RTである。ただのタグでは説得力が薄いので、以下のようなテンプレート文章を作成した。

はじめは自分だけがこのタグを使用していたが、最近は賛同の声が増え同じタグを使う人が現れてきた。近年は社会保障制度の是非をめぐって世代間格差や世代間闘争、シルバーデモクラシーの観点からの批判が多い。私もその見方には概ね同意するが、高齢者を敵視したり憎悪する政治運動は道徳的に望ましくないどころか敵を増やすばかりで戦略的にも稚拙である。あくまで簡素公平な制度であるべきという立場から議論を展開するのが望ましいと考えこのようなタグにした。

今後は社会保障制度に問題意識をもつインフルエンサーにも広まっていくことを期待している。
医療保険の自己負担増は直接的に保険給付額を削減し、需要抑制効果により間接的にも保険財政を改善する。これにより保険料の増額を抑制ないし減額する事が可能になる。医療保険は保険という名前がついているが、国民皆保険の日本では強制加入であり実質税金と同じである。そのため、このような医療保険制度の自己負担増を訴えることも一種の減税運動、減税活動と言えるのではないだろうか。
現役世代と高齢者と問題は単純化されがちだが、実際のところ小学校入学前までの小児は2割負担であり、自治体によってはその2割も補助がある。これは子育て支援策として有効という声がある一方で自己負担ゼロのためモラルハザードにより過剰受診が発生しているという批判もある。個人的には需要適正化のためある程度の自己負担は必要と考える。また似た議論としては救急車の有料化の是非があり、これについても有料化賛成である。この辺りは今後改めて整理してみたい。


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