見出し画像

#3 安心して!昔から大和撫子は「推し」に狂ってるよ!

▼前回はコチラ

前回は二次元に「推し」のいる昔の乙女でしたが、今回は三次元に「推し」のいる昔の乙女を見てみましょう。

今のお芝居やドラマのような“三次元推し”のパイセンたち

👧🏻「アイドルが好き!」
👧🏻「舞台やミュージカルが好き!」
👧🏻「アイドル(役者さん)と結婚できたら良いのになー」

超絶かっこいい男性が、素敵な歌詞(または台詞)と甘い表情を向けてくることに、ときめかない乙女なんていますか!? いませんよね!!

鎌倉~戦国時代の血なまぐさい闘いが終わり、平和になった江戸時代では、庶民向けに色んな娯楽が出来ました。

そんな中で、大人気だったのが歌舞伎です!

推しのグッズとイメージカラーにはまる江戸乙女

現代の歌舞伎は、The・伝統文化って感じで、古くて堅苦しくて、よく分からないものと思われがちですけど、江戸時代の人にとっての歌舞伎は、なんでもありの超大型エンターテイメントでした。

  • 痛快なアクション

  • ド派手な衣装と大道具

  • 魅力的な役者

  • 美しい踊り

芝居は男女問わず人気でしたが、役者は男性限定なので、熱心なファン層は圧倒的に女性!

浮世絵も「役者絵やくしゃえ」という役者さんのブロマイドが大人気。

江戸の乙女は、推し役者さんが女性の役なら、その髪型や衣装を真似してみたり、推し役者さんが好きな柄の着物を着たりして、ファンであることをアピールしました。

今も、観劇やライブ、コンサートで、さりげなく推しのグッズやイメージカラーの小物をつけるのと同じですね!

江戸時代の大和撫子も今の大和撫子も考えることは同じですねー。

現代は推しの名前入りうちわを持参することが多いですが、江戸の乙女も推しのうちわを持ってました。

推し役者のうちわを置いたお嬢さんの姿が浮世絵に描かれてます。

『星の霜当世風俗 蚊帳』歌川国貞(1819年頃)
ボストン美術館所蔵

右下にある、うちわに描かれているのは、歌舞伎の超有名演目『助六由縁江戸桜すけろくゆかりのえどざくら』の主人公「助六すけろく」を演じた三代目尾上菊五郎。

「菊五郎さまにキュンキュンしているときに邪魔しないでよ! 蚊なんて焼いてやるわ!」って感じでしょうか。

私も推しにキュンキュンしてるときに、蚊にぷーんって飛ばれたらムキーッて怒ると思います。

ちなみに、助六といえば、お寿司ではなく、代表的なイケメンキャラ!
▼詳しくはコチラをご覧あれ


ここまで出来るの!?お金持ちの超VIP待遇

観劇したあとは、ときめく胸をなだめて、せいぜい妄想するだけなのが庶民の乙女。

芝居に熱狂したのは、庶民だけではありません。
大きい商店のお嬢様も、お殿様の奥様も、お城で働くエリートOLさんも、芝居が大好きでした。
彼女たちはお金があったので、今では考えられない超VIP待遇を受けられました。

チケットはもちろん一番良いSクラスVIP席。
お芝居が始まる前には、現在のフィッティングルームのような場所で、お着替えとメイク直しをして、準備万端の状態で芝居小屋へ。

VIP席で美味しいお弁当(ランチ)とお茶、それからお酒で楽しみつつ、素晴らしい舞台で推しの姿を堪能したあとは茶屋に移動します。

ここでも美味しい料理(ディナー)を食べながら宴会。
この宴会、セレブがお供の者と舞台の感想を言い合うだけではありません。

推しの役者がご挨拶をしにやってくるのです!
そう! 近距離で推しに会えるのです!

しかも! さらにお金を積めば、一晩中、推しを独占出来たようなんです!!

その一晩のうちに、何をしていたのかは記録が残っていないので詳細は不明ですが、混浴が当たり前で、離婚と再婚も多く、えっちな春画を「笑い絵」と呼んで性的なことにオープンだった江戸の乙女が、添い寝だけで満足するはずがないんじゃないかなーと。
まあ、そこのところは、お察しくださいませ。

握手会だけでも卒倒しそうなくらい喜んじゃう現代の三次元推しの乙女からしたら、とんでもないお話ですよね。

お殿様公認の芝居狂い奥様

江戸時代の三次元推しパイセンの大胆エピソードをもう一つ。

とあるお殿様の奥様は、お芝居が大好き。
推してる役者の紋を染めた衣装を作らせて着ただけではなく、自分の身の回りの世話をさせている女中たちにも、それぞれお気に入りの役者の紋をつけた衣装を着させて、月に10回もお芝居を観に行きました。

自分だけではなく、部下にもちゃんと衣装を用意させてくれるところが素敵ですよね。
お芝居好きの乙女には、最高の職場環境です!

お芝居が終わると、役者が帰るところを道に立って見送ったそうです。
お殿様の奥様と、その女中たちがずらりと並んで、出待ちをしていたってことですね。
この時代から、出待ちや追っかけってあったんですねー。

ちなみに、夫のお殿様はというと、芝居小屋に通いまくって推しにきゅんきゅんしている奥様のことをまったく怒りませんでした。

「理解のある優しい旦那様!」かと思いきや、お殿様は吉原の常連さんで、遊女にきゅんきゅんしていました。

「これってダブル不倫なんじゃないかな?」と、現代に生まれた私は思ってしまうんですけど、このご夫婦とっても仲良しだったそうです。不思議な夫婦関係ですね。

【まとめ】安心して”推し”に狂おう!

この国の乙女は昔から推しに狂っているので、現代を生きる乙女のみなさまは、自信をもって推しに狂いましょう!


▼もっと昔の大和なでしこが知りたい方はコチラの本がオススメ


あらあらかしこ(*ˊᗜˋ*)ノシ


▼この記事を書いた人のプロフィール

▼この記事と同じテーマのマガジン

▼大和なでしこになれるプライベートレッスン【ほんのりなでしこ】
\大和なでしこになっちゃう?/

▼Instagram・twitter
📷Instagram:@marinadeshiko
🐤twitter:@marinadeshiko



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?