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悪魔城伝説で学ぶ中世ヨーロッパ・5

(専門家では無いので雑談としてご覧ください)
今回は「色彩」についての雑学です。
中世ヨーロッパで好まれた色は白と黒と赤と金、忌み嫌われた色は黄色と赤茶なのだそうで、それを踏まえて考えてみるとファミコン版悪魔城伝説のラルフは『中世で忌み嫌われた色の集合体』と言う事に気がつきました;(悪魔城伝説のパッケージ絵ではラルフは赤茶の髪をしていて、ゲーム中のグラフィックでは黄色を主体に使用されているように見えます)

黄色も赤茶も中世では「裏切り」「卑しい身分」「醜い身体」を意味する色になります。ただ、黄色と赤茶と同じような色でも、金や赤は尊い色として、高貴な身分の人々が好んで使用していたそうです。黒は現代では「闇」とか「悪」のイメージですが、中世では高貴な身分の者が使用する色と言う認識がありました。
ちなみに青は中世当初は「支配」を意味する色だったのですが、しばらくして教会のステンドグラスなどに青が多用されるようになり、15世紀ごろになると「聖母の衣の色」として認識されていたそうです。

もう76回くらい書いていますが(笑)、私の妄想では悪魔城伝説のラルフは漆黒の前奏曲のソニアと吸血鬼の彼の息子設定なので、そのラルフが「忌み嫌われた色」を纏っている意味を考えると色々な意味で切なくて、最近の言葉で言えばしんどみが辛かったです(笑)。
髪の色などは偶然でしょうが、もしかしたら吸血鬼を愛してしまったソニアとその息子であるラルフは、人々から畏れられていたベルモンド一族内でも更に疎まれていた存在なのではないかと思ってしまいました。彼が纏う色彩は、疎まれた一族の中で更に疎まれた存在の証、のような……。

ちなみに何故中世で赤茶や黄色が忌み嫌われていたかという理由には諸説ありますが、赤茶に関しては、聖書に書かれている使徒ユダが赤毛であったことが由来しているそうです。裏切りの象徴と言う訳ですね。
そして黄色は大地を現わす色であり、当時は衛生事情が甚だよろしくなかったので、大地=基本的に不浄、と言うイメージでした。つまり黄色は不浄をイメージさせる色であり、社会的地位が低い者の色だったと言う事です。
そして考えてみればレオン・ベルモンドやジュスト・ベルモンドの衣装は中世の高貴な色と言われた「白」「赤」「黒」を全て使用したカラーリングなので、この事から考えるに、レオンやジュストの時代はベルモンド一族は「高貴な存在」であったのでしょう。

ただし「時代による色のイメージ」についてはぶっちゃけ当時の流行でしかなく、黒や青がもてはやされた理由も『当時の偉い人がその色をよく身に着けていたから」だったりしますし、中世では散々コケにされた黄色が現代では普通に「元気が出る色」と言われていたりします。
15世紀辺りはそういうイメージだった、と言う感覚でご覧下さい(^^;

ただ思ったことは……忌み嫌われし色をその身に纏う悪魔城伝説のラルフですが、ドラキュラを倒して夜明けを迎えたとき、昇る太陽の光をその身に浴びて彼の赤茶の髪や黄の装束は黄金色に輝いたでしょう。彼の全身は黄金色に見えたでしょう。当時最も美しく、尊い色と呼ばれていた黄金色に……。

忌み嫌われた色を纏う若者が、物語の最後で最も尊い色を纏う。人々から畏れられていた存在が英雄となる。……そこまで考えてラルフのカラーリング考えていらっしゃったとしたら……すごいなあ……。

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