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進化心理学

先日、ロバート・ライトの「なぜ今、仏教なのか」という本を読んでいましたら、(この本は、瞑想の経過とその先にあるものについての分析についてなのですが)「進化心理学」という単語が出てきて、自分が不勉強なだけですが、心理学にそんな分野があったんだ、確かに納得いくな、なるほどと思いました。

子犬とか、子猫とか、特にほ乳類の子どもは可愛いですね。最近、FaceBookを見ていると、種としての象の保護活動が進んでいる様で、小象の写真や動画をよく見ます。象の子どもも可愛いですね。

これは、特に、本とかで読んだことは在りませんが、子どもが無事に育つように、周囲の者が「可愛い」と思う心で、保護する気持ちが湧くように、その事でその動物の種が拡大してゆくようにと仕向けられた、遺伝子の小細工だと思っていました。しかし、そういうことを書いた記事とか論文とか書籍とかはまだ見たことは在りません。そう思うと、ちっと変なのは、私は、犬ではないし、猫でもないし、象でもないので、「可愛い」と感じる自分が象と言う種の為の合理性に組み込まれているのは、なんか変ですね。人間と言う種が霊長類で、全ての生命に事実上影響を与える可能性が有る為に、人間に対してだけ阿った、表象なのでしょうか?つまり、人間には、全ての哺乳類の子どもは可愛く見えていても、ライオンから見ると、親豚も、子豚も食欲の対象でしかないのでしょうか。

最近、自分の歳のせいか、トカゲとか蛙とか蛇とか、ほ乳類以外でも子供は無条件に可愛いと思います。いや、実をいうと、動物だけでなく、植物にも愛着を感じる事があります。これは、人類が、あらゆる種の長として、義務を負っているという事なのかもしれません。

ちょっと、似ている話ですが、若い時、特に、小中高生の頃、特に気に入った異性の子に気づく年齢があります。初恋でしょうか。この現象は、自分は、人間と言う種の保存の為に、脳に組み込まれた仕組みだと思っています。「進化心理学」という言葉を始めてみて、子どもの頃から思っていたこの初恋の仕組みを思い出しました。これもは、自分は何の疑いもなく、種の保存ための仕組みだと思っていましたが、自分が勉強不足なだけかもしれませんが、教科書とか本とか、授業とかでその様な視点の話を聞いた事は在りません。でも、これって、常識ですよね?

しかし、そう思うと、当然の帰結として、若いラブラブのカップルが繋がっている根拠は、遺伝子に仕組まれた罠にはまっているだけであり、その二人が「愛」だと思っているその関係は、誰かが描いたシナリオの上なのかもしれません。しかし、初恋の、もう一つ不思議なのは、相手は誰でもいいわけじゃないようです、その遺伝子のプログラムは結構複雑かもしれません。遺伝子が造った仕組みが言外の情報で「この人だ」と本人が認知していない状況を勝手に判断して、そして「好きと思い込ませる」プログラムにスイッチを入れているかもしれません。

しかし、大きな疑問がわきます。何十人も、あるいは何百人も候補者が居る中で、遺伝子が何の相談もなく勝手に「この人を」と決めているとすれば、それを決めている遺伝子、または、その決定を受け入れている自分、これは1つのものなのでしょうか。

個人的には、生物の進化は100%ダーゥインの進化論(自然淘汰)によるものだとは思っていません(他の記事も見てください)が、最近の脳神経科学の分野では沢山の研究の成果があり、脳内部の各部位の機能が解ってきているそうです。進化の結果種が獲得する形態は、体の物理的な形、機能だけではなく、脳の構造、脳内の情報処理も、当然進化の対象です。進化心理学では、その結果の心理学上のプロセスの変化を研究する事だと私は理解しました。

例えば、先日、軽井沢のショッピングモールのスターバックの前で、若いお母さん(知らない方)が、乳母車の赤ちゃんを乳母車ごと階段を上ろうとしていましたので、すかさずお手伝いをしました。人の手助けをすると、そのあと、上手く説明できない「幸せ感」が自分の中にわいてきます。その、若いお母さんにではなく、自分にです、また、山手線の中で、老人や妊婦の方に席を譲ったりしたときにも、同じように「幸せ感」が湧いてきます。これは、だれの仕業か分かりません(絶対に自然淘汰だけでは無いと思います)が、他人に尽くすと幸せ感が得られるというプログラムが脳の中にあるという事を意味しています。これは、大昔の石器時代?以前から、弱小な人類は助け合う事で生き延びるという選択の上で獲得した「脳機能」と言ってよいと思います。

心の構造にも、「進化」がある事を知りました。

また、この事は、上の例でいえば、進化の結果、「人に尽くすとうれしくなる」という構造が、個人の心の中にある、という事が事実だとすれば、これは、すごく希望の持てる事だと思いませんか。技術的なコミュニケーションの下地が無かった1945年以前とは違います。今、地球の環境保全も世界平和も、後は、人々が嬉しくなることをすれば、良くなってゆくのかもしれません。石器時代に獲得した脳機能で、我々は救われるのかもしれません。


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