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閏年パーティ#シロクマ文芸部

閏年の2月29日、十二支が集まるパーティが開催される。
4年に一度、集まる面々の中で一際ドヤ顔で鎮座している龍(辰)が今年の主役だ。十二支の中で唯一実在しないと言われる龍は、ふわふわと空中を漂いながら雲を食べている。変わってるねと言われることは褒め言葉だと思っている。

それを呆れ顔で見ている鳥(酉)は、冷静に見えて内面はメラメラと主役の座をねらっていた。だが閏年は4年に一度。次の主役の猿(申)チヤホヤされるのが大好きで、ガハハと笑いながら、羊(未)に褒め称えられていた。羊は優柔不断すぎて判断ができずに石橋を叩きすぎて割っていた。

猿の主催の閏年の4年後は、ねずみ(子)が主役。どこにでもなじんでしまうねずみは、今年もずるがしこくトラ(寅)と親しげに話していた。トラはいつでも完璧でいたいから、この4年に一度の顔合わせにも揺るぎない態度で参加していた。本当の主役はオレさまだ。

その様子を見ていた牛(丑)考えて考えて考えまくっていた。弱音は吐けないし人に頼れない。なぜ4年に一度集まるのだ?
そんな牛を横目にウサギ(卯)と犬(戌)は、爆笑しつつ場の雰囲気を盛り上げようと思っていた。ウサギは気分で動くが悪気はない。犬は真面目な自分に内心疲れてきっていた

馬(午)心を開きすぎて、猪(亥)一度落ち込むと長引いてしまうという相談にのっていた。馬は行動は早いが大雑把。猪の悩みはへび(巳)に相談すればいいと思っていた。へびは世話好きだが、プライド高くしつこいから相談役にうってつけなのに。

4年に一度のパーティはこうやってみなの思いを交差させ、うたかたに消えていく。


しめきりすぎましたが、2月29日に向けて書きました。
干支占いってけっこう当たります。
閏年はねずみ(子年)と猿(申年)と龍(辰年)しか主役になれないんですねえ。神話ではねずみに騙されて猫は帰ったんだって。
猫年があったらまたおもしろかっただろうなあ。
閏年の4年に一度の2月29日はおまけの1日。楽しみましょ!



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