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『ありがとうをつかまえる』#シロクマ文芸部

「ありがとう」ってコトバが出てこない時間がずいぶんあったの。
人から何かしてもらっても「すみません」
ほめられても「そんなことない」
そうやって「ありがとう」から逃げると、ありがとうが遠ざかっていくの。

ありがとうがいないと、グレーな雲の中にいるみたい。
見えてるようでなにも見えてなかった。
すべてがくすんでた。

見えること、聞こえること、手触りや味、じぶんが話してることや香り、そして感じていることに意識を向けて「ありがとう」って言ってみることにしたの。
最初はむずかしくて、なにもありがたいなんて思えなくて、いやになった。
でもわたしは「ありがとう」をつかまえにいったわ。

おはよう。お天気でうれしい。ありがとう。
お水がおいしい。ありがとう。
お金があってごはんが食べられる。ありがとう。
ふつうでなんでもないことがうれしい。ありがとう。

五感がすべてピンクやスカイブルーや若菜色になって見えてきた。
ありがとうがいつもそばにいてくれると、ほこほこしてにまにまして、だれにもわかってもらえなくても、「ありがとう」って言いたくなるの。

だからね。
「ありがとう」を逃さないように、わたしは「ありがとう」と仲良くなった。こうして話している時間も、書いてる時も、誰かのコトバを味わうことも、あたりまえなんかじゃない。
こころから言うよ「ありがとう」


連続投稿 ありがとう



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