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【読書】モンテレッジォ小さな村の旅する本屋の物語/内田洋子

イタリア、トスカーナの山深い村から、本を担いで旅に出た人たちがいたことを私は知らなかった。

読みながらモンテレッジォに旅をしている気分になっていた。
挿しこまれる写真が絶妙。
緑に囲まれた山の中に入り込んだような不思議な気分。
村の空気、温度、食べものの匂い、本の匂いと重さ…
石を積み上げて造られた建造物、栗の木…
語られる歴史、過去の出来事を読み、時代さえも超えていくような感覚。
イタリアそしてモンテレッジォでの作者の日々を追体験している、そう感じた。

本を愛し、本を届けることを生業とした人がいたこと、そしてそれが引き継がれていること。
イタリアの歴史、本の歴史、旅する本屋の歴史、村の歴史、家族の歴史…すべてが交錯していく。
モンテレッジオの立地を思い、歴史を思った。
いろんなことを考え、感じさせられる1冊だった。

本を愛し、本を人に繋げていく人たちの物語。
やっぱり私は本が好きだ、と再確認。

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