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ロスト・ジェネレーションとパリ

本日は、私の微かに憧れるロスト・ジェネレーションとパリについての情報まとめです。今回はさわりだけで終わると思いますが、新しいネタを仕入れる度に書き足していきたいと考えているテーマです。


魅惑の1920年代のパリ

これまで訪れた海外の街で、総合的に考えて一番魅力的だったのは、月並みですが、パリ(Paris)です。随所から語りかけてくるような歴史の重み、そこはかと漂ってくる空気感、360度飽きない景観、全てが魅惑的でした。今も昔も、”華の都”は別格の輝きを感じます。今は、海外旅行に興味を失ってしまったものの、パリだけはまた訪れたい、という気持ちになります。

2024年に五輪開催を控え、最新の味付けが加わるであろうパリも興味深いのですが、1920年代のパリには以前から心惹かれています。きっかけになったのは、ウディ・アレン監督作品の『ミッドナイト・イン・パリ Midnight in Paris』(2011)でした。歴史上の著名な人物が実名で登場し、不思議な雰囲気のある映画でした。そこから、色々当時の状況を少しづつ調べはじめ、関連する本を探して読んだりしてきました。

ロスト・ジェネレーション

『ロスト・ジェネレーション』ということばは、パリに移住していたアメリカの小説家・劇作家・詩人で、美術収集家としても多大な影響を与えたガートルード・スタイン(Gertrude Stein, 1874/2/3-1946/7/27)が、パリに滞在していたアーネスト・ヘミングウェイ(Ernest Miller Hemingway 1899/7/21-1961/7/2)に対して言ったという、

You are all a lost generation.
あなたたちは、皆失われた世代なのよ

ガートルード・スタイン

に由来するとされます。第一次世界大戦で戦争の恐怖を直接体験したことで、社会に幻滅し、これまで信じられてきた信仰や価値観や常識を疑い、自堕落で快楽主義的な振る舞いをする人々を意味することばとして定着しました。『Lost generation=失われた世代』という訳が一般的ですが、ニュアンス的には『迷子になった世代』『行き場のない世代』という方が、適切な表現かもしれません。文学の世界では、アメリカ人作家のF・スコット・フィッツジェラルド(Francis Scott Key Fitzgerald, 1896/9/24-1940/12/21)も、『ロスト・ジェネレーション』を代表する作家の一人とされ、1925年発表の代表作『グレート・ギャツビー The Great Gatsby』は、長期旅行で滞在中だったパリで書き上げられたと言われています。

日本では、バブル経済崩壊後に社会に出て不況で苦労した世代の人々を、ロスト・ジェネレーションを略して、”ロスジェネ”と呼んだりしますが、1920年代のロスト・ジェネレーションとは別物です。

パリのカフェ文化

パリは、あらゆる分野の多彩な人々が集まる街でした。貧乏生活を送る文学者や哲学者、芸術家の卵が、夜な夜なたむろしたのが、モンマルトルのドゥ・マゴ(Les Deux Magots)やモンパルナスのラ・ロトンド(La Rotonde)といったカフェ&ブラッスリーでした。私は、狂乱の時代(Les Anneses Folles)とも呼ばれていた1920年代のパリのナイトライフに、大いに好奇心をそそられます。

これら老舗のお店は、今も健在で、風情を残しながら営業中です。今では観光客が大半を占めるようになり、値段もお高くなっているようですが、当時の雰囲気を味わってみたい思いはあります。私の住むエリアにも、そのような場所があればいいな、と羨ましく思ったりもします。

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