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金曜日の随筆2024:山崎元氏の貴重な遺言

また運命を動かしていく金曜日が巡って来ました。2024年のWK7、如月の参です。昨日は4月後半の陽気だったのが、本日は一転して冷え込みがきつくなり、真冬に逆戻りしてしまったようです。急激な寒暖差に身体が悲鳴をあげています。いつもならば気分浮き浮きになる休前日に辿り着きましたが、今夜は外出を控え、部屋で暖かくして過ごしました。

本日は、先月65歳の若さで惜しくも亡くなった、人気エコノミストの山崎元氏(1958/5/8-2024/1/1)の「幸福」についての論考を読んで、思ったことです。氏が癌による余命宣告を受けた際に、ご子息に書き残したもので、東洋経済オンラインで公開(一部だと思われます)されていました。

尊敬する経済評論家

山崎元氏には、特別な思い入れがあります。私が会社員生活からのEXITを考え始め、資産形成や金融商品を本格的に勉強し始めた頃、山崎氏の著作や解説記事をよく読んでいました。単なるマネーゲームとしてではなく、人生哲学や道徳を意識したシンプル投資のすすめに好感を持ち、自分の投資戦略にも氏の基本的な姿勢(ストイック過ぎないのも良かった)を取り入れてきました。私の恩人の一人であり、初期の段階で氏のような良質でフェアな専門家に学べたことはラッキーだったと思っています。

近年は癌治療の影響で健康状態がすぐれない中、気力を振り絞って活動されている姿を拝見し、尊敬の念を抱いていました。今年の1月1日に亡くなったことを知った時はショックでした。65歳という若さでの逝去を、心から惜しんでいる多くの山崎ファンの一人です。合掌。

「幸せ」を感じる尺度

東洋経済オンラインのこの記事は、仕事が一段落した後の休憩中に見つけ、大急ぎで読みました。幸せを感じる「要素」あるいは「尺度」について、氏が色々深く考えた末に至った結論をまとめて、大学生の息子さんへ申し送るという形式を取っています。

人の幸福感は殆ど100%が「自分が承認されているという感覚」(「自己承認感」としておこう)でできている。

と書いています。氏の文章は論旨が明快で非常に読み易いという印象を持っていますが、この記事でも冒頭に結論をずばり申し述べています。この結論には説得力があり、強く共感します。また、その論拠として、横軸に「自由と不自由」、縦軸に「リッチとプア」を置いての分析、キャリアの形成方法についての論考も非常に鮮やかです。そして、「モテ具合」が意外と大事、という論考にも非常に納得します。

自己承認感が感じ取れないと辛い

何だかんだ言って、私が幸せを感じる際に、「自己承認感」は非常に重要な位置を占めています。自分の望むような「自己承認感」が得られていない状態が続くと、その焦燥感はどんな気分転換を色々試みても完全に消えることはなく、ボディブローのように効いてきて、果ては猛烈なストレスに苛まれます。

それは、他者からの評価に依存している好ましくない状態、と言う人もいるでしょうが、何一つ自己承認欲求が満たされない状況で、それでも機嫌よく生きていける程、この世は甘くないのが実情だと思います。一定の尊厳と好意が与えられていないと、その歪みによって卑屈で屈折した人生を送ることになるように思います。時期や環境によって濃淡はあると思いますが、自己承認感を完全に捨て去ることは難しいし、全くないのは却って不健全・不健康な気がします。

裏を返せば、それは自己承認感が満たされていた経験が過去にあったから、何とか道を大きく踏み外さずに、今日まで生き延びてこれたという証左でもあります。私は、これまでの人生に「概ね幸せだった」という自己評価を下しています。その理由については、山崎氏がこの記事で書かれた内容がよくあてはまることに気付き、腹落ちした気分になりました。

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