フリーノート-39

販路においても「三方良し」

年末に開催されるコミックマーケットに今年もお手伝いで出ることになりました。

この時期にTwitterを見ると、アカウント名に「日曜南ナ09b」とか暗号みたいなのが出てると思いますが、あれはサークルの島番号・配置番号で、その場所に出店されるという宣伝です。

お時間ある方は、メッカ巡礼に次いで70万超の人が集まる聖地、
夏より過ごしやすく難易度が低い冬コミへGO!٩( ‘ω’ )و


ということで、今回の「Tribal Professional Academy(TPA)」は、「チャネル戦略」です。

●流通チャネルの転換戦略

●流通・営業戦略―現代のマーケティング戦略〈3〉 


チャネル?チャンネル?

チャネルでもチャンネルでも良いようですが、チャンネルは電波とか周波数のとこで使われてるので、自然と分類されたんでしょうか?
もともとの意味は、運河を意味する「カナル」「キャナル」から来た言葉で、販売経路、販路のことを指します。

博多に「キャナルシティ」ってありますね。博多好き。

車がなかった時代、水運が運搬の主力だったので、商業が盛んな地域には、多くの川(運河が)がありましたね。

大阪は今でも地名に「堀」ってついたり、「浪華の八百八橋」というように、橋が多かった名残があります。

「チャネル=運河=販路」というのはわかりやすい。


秩序あるチャネル戦略

10年ほど前、某下着メーカーのクライアントさんに、ECサイトの売上を上げるためのプロモーション提案をしてました。

そのとき、「ECで大々的なキャンペーンをやると小売業者からクレームが来るので派手なことができない」とおっしゃってて、結局プロモーションはできなかったんです。

この時に「流通・小売との関係を築くことの重要性」を、強く意識したのを覚えてます。小売との関係が悪化すれば、メーカーの売上も低下してしまうため、双方が良い関係を築くことがとても重要、ということですね。

でも、顧客の観点からすると、ECでどこでも買えるということはメリットになるはずなのに、メーカーも小売も、結局「自社の都合」を優先して、顧客の購買機会を奪っていることになるような気がするので、今思えば、正しいチャネルの管理と、戦略を行使していたことにはならないということですね。

あと、直販やCRMの仕組みを自社で持たずに、すべて小売を通じて販売している場合、顧客が「どのような購買行動をしているか」や、「ファン」「熱狂的な購買層」が全く可視化できず、購買機会が昔よりも多く、チャネルが多様化した現代においては、新しいマーケティング活動を行うためには足かせになるケースも出てきていると思います。

実際、顧客データベースをちゃんと構築していないメーカーさんは「ファンを中心においたマーケティング」においては、不利な状況にあります。


マーケティング戦略と同様に、チャネル戦略も「顧客のことを考える」ことが正しい道である、ということを、コーポレート・ガバナンスの時にも出ていた「スチュワードシップ」という言葉を使って「チャネル・スチュワードシップ」と称されています。

顧客にとって最も良いことを行い、同時にチャネルパートナー全員が利益を享受できるように、企業がリーダーとなって管理・統制を行う。

今の日本の企業は、この「スチュワードシップ」としての役割を果たしているんでしょうか。

そして我々顧客も、利便性だけに囚われず「どのチャネルから購買するか」ということにもっと興味を持つ必要がある時代になってきてると思います。


っていうか、いままでどれだけ消費者を蔑ろにしてたかってことなので、マジで色んなトコをちゃんとやらんとアカンとこに来てるんですよ。


コミケも「チャネル」

ところで、冒頭でお話した「コミケ」も、漫画家さんが出版社を介さず、
直接読者、チャネルでいう「顧客」と直接コミュニケーションできる接点として、とても重要な機会だったりします。

そしてその直接販路でしか入手できない書籍やグッズを入手するため、70万人を超える人が集まってます。

大手サークルは、1日で数千万円の売上をあげることもあり、
そう考えたら、コミケは「強大なパワーを持つ統合されたチャネル」なんでしょうね。

さぁ配置を確認して予習しよう!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?