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ポジティブチェックのススメ【後編】

ポジティブチェックを実際に運用してみよう

記事の後半では、ポジティブチェックの運用方法をご紹介します。

私が行ったことは、至ってシンプルで「週次の振り返りで先週と今週でできるようになったこと」を3つ以上挙げて発表してもらう、というものです。

しかし、ただ過剰列挙するだけではなく、設問項目に少し工夫を凝らしました。

改良を重ねて、最終的には以下の質問項目に落ち着きました。

1、できるようになったこと
2、なぜできるようになったことに気づいたか
3、なぜできるようになったか
4、できるようになった時の感情
5、ポジティブ指数

1、2は事実の確認、3はなぜできるようになったのか振り返って考えさせるための問い、4、5は考え方の癖や特徴の把握に役立つ問いになっています。

人によってはアウトプットに慣れていないと、良かった出来事が1つも出ないこともあり得るので、その時はこちらからフィードバックをしてあげましょう。

3も感覚的に仕事をする人にとっては、少し難しい問いになるので、「何か工夫したことはあるか」「先週と比較して意識したことはあるか」など、他の切り口での問いを組み合わせながら答えを引き出していきましょう。

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そして、特に面白いのは4、5の答えで、かなり個人でばらつきが出ます。

例えば、前半で紹介した、自信がなく自責思考の強いAくんだと、「ほっとした」「一安心」のように、上長や周りから怒られるのを極度に恐れているような傾向が見えますし、他責傾向のある人だと「分かりやすく説明してもらったから出来た」「差込業務がなかったから出来た」といった、少し言い訳っぽい表現が増える傾向にありました。

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前述の「ポジティブマトリクス」でみてみると、Aくんはまさに「ポテンシャル層」に当てはまることが分かりますね。

どの層に属するかによって、マネジメントのアプローチも変わるので、自分の部下がどのようなタイプかを把握する上では、非常にポジティブチェックが役立ちました。

せっかくなので、文末に実際に運用していたシートを添付します。

ポジティブチェックによって得られたもの

最後に、ポジティブチェックを行うことによって得られた、意外な効果をまとめてみました。

ポジティブチェックシートの紹介と合わせてご覧ください。

■部下が成長した
→「どうすればできるか」という思考になり、前向きで建設的な会話ができるようになった。また、主体的に自分で考えたり調べたりでき、質問力も向上しました。

■自分の時間が確保できるようになった
→上記の成長によって、部下の指導にかける時間が少なくなり、自分の時間が確保できるようになりました。

■社内でのマネジメント評価がアップした
→これは全く意図していなかったのですが、この取り組みを行ってから、周りも部下の変化を感じたらしく、マネジメントができる人間として社内ブランディングがなされ、現場のHR担当に任命されました。

当然ポジティブチェックだけでなく、部下の頑張りありきということは、言わずもがなです。

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実際に運用していたポジティブチェックシートはこちら


10年以上事業会社でマーケティング/事業開発に携ってきました。昨年立ち上げた『BtoBマーケティング研究会』は参加人数700人規模まで成長。マーケター向け勉強会や懇親会を主宰し企業とマーケターの最適なマッチングやマーケターの繋がりを活発化させるべく奮闘中。