人の移動が減少することによってホテル業界には大きな影響が広がっています。

ホテルの稼働率を上げるための取り組みも徐々に始まりつつありますが、一方では既存の仕組みで解決が難しい課題が存在します。

記事のポイントとしては次世代型ID管理クラウドサービス（UNiD）を活用することで稼働していないホテルの空室を一時的に貸し出す、非接触型の空室利用モデルを展開する事ができるようになるという点です。

ホテルの空室課題をテーマに具体例をユースケースで紹介したいと思います。

空室活用という新しいマーケットニーズ

自主隔離ニーズに対応した新しいビジネスモデル

コロナへの感染可能性を避けるために自主隔離を希望する人のための空間マッチングビジネスが誕生しています。

（動画：“家庭内感染”防ぐには・・・自主隔離できる物件も(20/04/21)）

周囲の人たちに感染する確率を下げるために普段生活している場所とは異なる施設や部屋を借りて一時的に生活を行うケースが少しずつ増えてきています。

利用者は家庭を持つ人を始めとして、海外などから一時帰国した方々など "誰かに感染させてしまうリスクを回避したい人" たちを対象にサービス展開が始まっています。

リモートワークニーズに応えるビジネスモデル

自主隔離以外にもリモートワークニーズに対応した空室活用事例も生まれています。

テレワークを行う企業が増える中、自宅以外のスペースを活用して作業を行いたいニーズに応える取り組みです。

テレワークに特化したプランなども出てきており稼働率を上げたいホテルは空室を活用した取り組みに切り替えていくと考えられます。

新しいビジネスモデルで生まれた課題

感染者の利用リスク

空室を提供するホテルが抱えるリスクとしては感染者が滞在する可能性が挙げられます。

宿泊されるお客様の中に感染が確認される方がいる場合は宿泊施設の除菌やその他の宿泊者向けの対応、及び評判低下による利用者離れなど大きなリスクを抱えた上で対応することになります。

宮崎グリーンホテルでは感染者の宿泊により1000万円近くの損失が発生し、ホテル側で全額負担するなどの事例も出ています。

従業員やスタッフの人たちに関しても細心の注意を払った上での対応が求められることになり、心理的、金銭的コストが大きく膨らむことになります。

宿泊者のプライバシー問題

宿泊者の方のプライバシーの問題はホテル側で感染の有無を確認する上で非常に難しい問題です。

個人の生活環境や活動に関してはプライバシーに直接関わるため厳密にホテル側で追跡することが難しいというのが本音ではないかと思います。

誓約書等を書いた上で宿泊するなどいくつか解決策は考えられますが、全ての宿泊客に対応を求めることは稼働率を下げる妨げになる可能性があります。

次世代型ID管理クラウドサービス（UNiD）で実現できる空室活用モデル

非接触空室利用を実現

施設利用希望者はアプリをダウンロードし、外出履歴を外出時の各利用サービスごとにQRコードスキャンしてトラッキング情報を自身のデータベースに記録することができます。

それ以外に日々の体温計での計測情報を自動で書き込み、自主隔離施設を利用する際は検査期間より証明書を発行してもらい、隔離施設（受け入れ先ホテル空室）の鍵を発行します。

そしてもらった鍵を利用して隔離施設で宿泊します。

アプリに決済の情報を組み込むことで、受付でQRコードをスキャンするだけで鍵の発行、入室、空室利用（食事などの予約）、退室、支払いまで誰にも触れずに、ホテル側に個人のデータを提供する事なく利用することが可能になります。

上記の例ではこれまでに "近所のスーパー"、"学校"を訪問した人が日々の体温計の記録温度を含めて個人のスマホデバイスにQRコードから訪問履歴を記録し、個人の履歴情報に対して国からの認証を発行してもらっています。このデータを直接ホテルに持ち込みホテル内のQRコードで認証することで空室に宿泊することができるというものです。過去の訪問履歴、体温、及び国からの検査認証結果が個人のデバイスにデータとして記録されているためホテルでの診断履歴など記載必要なく空室を利用し、期間限定で借りることができます。

With コロナ期のIDを活用したホテルビジネス

プライバシーを前提にしたユーザー体験の提供

ホテル側としては宿泊者の感染の有無を事前に確認することで、感染者が宿泊する確率をできる限り下げることはできますが、ホテル側の責任となるため従業員、サービスや感染者が宿泊した場合の対応など大幅にコストを負担する必要があります。

さらに宿泊者のプライバシーに配慮する必要があるため十分にホテル側で同意の上情報を入手する事が難しいケースも考えられます。

この場合は感染の可能性がないというデータだけをプライバシーに配慮して、従業員が入手して会社で管理するのではなく、個人が主体的に保有して提供する設計にする事でプライバシーによる情報入手問題、ホテル内での関連コストを大幅に下げる事ができます。

データを組み合わせた新しいマーケティングモデル

個人がデータの保有者になる事でホテルでの宿泊以外にも様々なサービスを提供する事ができるようになります。

例えば、ホテル内でウーバーイーツなどのデリバリーサービスを楽しめる設計にしたり、エンターテインメントコンテンツを利用できる仕組みを提供するなどホテルの空室を利用して頂くだけでなく顧客満足度の向上につなげることも可能です。

次世代型ID管理クラウドサービスのUNiDを活用することで空室を抱えるホテルは稼働率を向上させる事ができことに加えて、自粛の影響が収まった後には複数のサービスを組み合わせることで顧客満足度の向上を実現し、また訪れたい設計につなげていく事ができるようになります。

ここで紹介した以外にも次世代型ID管理クラウドサービスのUNiDを活用して実現できる空室問題を解決するモデル設計は可能ですので、ご興味ある方はこちらまでご連絡ください↓