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すご腕ファンドマネージャーの見る投資判断のポイント

 最新刊『ESG投資で激変!2030年会社員の未来』では、投資家と企業の関係の事例をいくつか載せています。
 その中のひとつ、クラシコムの代表の青木さんが、国内大手機関投資家であるアセットマネジメントOneのファンドマネージャー岩谷さんと、クラシコムの投資には関係ない「雑談」をしたときの会話を新の第3章に載せました。(上場からはだいぶ前の会話です)

起業家のパーパスがお金を引き寄せる

 岩谷さんは、上場しているグロース企業への投資で、数々の輝かしい成績(投資リターン)を残しています。投資が上手、それだけを聞くと企業のことを考えずに売ったり買ったりしていると思う人もいるかもしれません。
 いいえ、逆です。岩谷さんほど企業の経営者の気持ちをよく理解している人はいないのではないかと思います。特に日本の、上場して間もない伸び盛りの会社の経営者の考えていることはとてもよく理解していると思います。

 特に起業家の創業時の思いは掘り下げます。
 なぜ、この事業をはじめたのか。なぜ、この事業を今もやっているのか。これが内発的動機で、起業家のエンジンのパワーの大きさだからです。
 「解決したい課題の大きさと難しさが、潜在市場の大きさ」ともおっしゃっていました。
 青木さんは、岩谷さんとの対話を通して、心ある投資家(お金もある)の考え方を知るようになります。

伸びているか儲かっているか

 第3章の続きは、グロース投資家の見るポイント「(売上が)伸びているか」、バリュー投資家の見るポイント「(安定して)儲かっているか」についてです。
 よくありがちですが、コストを抑えて、ギリギリ黒字ぐらいで、売上は一桁成長、という会社はあまり魅力がないのです。そもそも「ギリギリ黒字」レベルの場合は、たいてい資本コストを下回ったリターンにしかなりません。
 強気で投資して売上をガンガン伸ばすか(グロース)、めちゃくちゃMOAT(事業を守る堀:参入障壁)を強めて利益率を高くする(バリュー)かどっちかなんです。
 それは株式投資とは未来を買うものであり、企業価値算定なら将来予測のDCFや配当割引モデルを元に考えているからです。
 グロース市場に新規上場するような企業は全員超グロースかというとそうでもありません。

 この第3章は、プロの機関投資家や、経営者、現役IR担当からの反響の多い章で、「プロはやっぱりそういう風に見ているんだ」という事業会社の声や、投資家は「自分もこの考え方に近い」という声をお聞きしました。

ESG投資はもうかるのか?

 この第3章の見出しは「ESG投資は本当に儲かるのか?」です。
 いつも「もうかっているか伸びているか」を気にしているプロの投資家にとっては、ESGはどう映るのか、投資家が重視しているESGは何なのか、続けて掘り下げていっています。
 「〇〇率を上げるESGか、○○率を下げるESGをやりましょう」という話をしております。(〇〇のヒントはDCFで使われる指標です)

 もしよろしければ本をお読みください!

ーENDー
 



IR(インベスター・リレーションズ)の経験などに基づいたテーマで記事を書いています。幅広い層のビジネスパーソンにも読んでもらえたら嬉しく思います!