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タクシー自動運転の未来に僕が危惧すること

日本でも自動運転の実験が進んでいる。
タクシーでは、ホンダが2026年から自動運転タクシーサービスを提供すると報道された。
また、トヨタは今年からお台場に建設中のアリーナ周辺限定で、自動運転タクシーのサービスの無償提供を始め、来年からは有償でその範囲を広げる予定だとか。
(新規参入が難しいと言われているタクシー業界だが、ホンダやトヨタなら認可されるのだろう)

やがては、日本のタクシーのほとんどが無人の自動運転という時代がやってくるのだろう。
だが、僕にはいくつか心配なことがある。
と言っても、その頃には僕は生きているかどうかわからないので、本気で心配しいるとは思わないで欲しい。
ほとんどが心配という名の興味本位だ。

さて、前置きはこのくらいにして、まず心配されるのが、乗客の忘れ物だ。
今のタクシーでも、毎日忘れ物はある。
傘や財布、携帯はしょっちゅう。
中には現金を裸で忘れることも。
こんな時は、しっかりしないと、いくらあったとかなかったとかでよく揉める。
ハイヒールの片方とか杖もある。
どうやって帰ったん?
お忘れ物のないようにと声をかけていても、「はいはい」と言いながら忘れていく。
ドライバーには、声をかけるだけでなく、後ろを振り返って確認するようにと指導していたが、敵もさるもの、目視ではわからない、助手席のしたとかシートの座部と背もたれの隙間だとかに忘れていく。
中には、わざとちゃうかと思うくらい奥の方に携帯がねじ込まれていたりする。
もちろん、今ならドライバーが途中で発見して、連絡がつけば届けたりということもあるが、これが自動運転になるとどうなるのだろうか。

次に心配なのは、ゴミだ。
今でも、ドライバーにわからないようにこっそりとゴミを置いていく客がいる。
少数ではあるが、「これ捨てといて」とコンビニ袋を渡してくる客もいる。
こんなのは断るように言ってるが、現実には難しい。
こんな客は、自動運転で無人となると、間違いなく黙って置いていく。
黙りついでに堂々と置いていく。
なんなら、家庭ゴミを持ち込んで置いて行くかもしれない。
一日走れば、結構なゴミが車内に残されているのではないだろうか。
いやいや、日本人の美徳がと言われるかもしれないが、いやいやいや、あんなのは人が見ているところだけだ。

酔っ払いによる車内の破壊もあるだろう。
今でも何かあると運転席や助手席を蹴っ飛ばす輩がいる。
こんなのは客ではない、輩で十分だ。
暴れて車内の広告物を引っ剥がしたりしている。
今なら、ドライバーが注意して、それでもおさまらなければ警察を呼ぶ。
しかし、誰も乗っていないとなると、これがやり放題だ。
次の客が乗ったときには、車内は荒れ放題なんてことも考えられる。

タクシーをラブホ代わりに使われることもあるだろう。
ドライバーが見ていてもお構いなしだ。
イチャイチャするくらいなら微笑ましくもあるが、それだけでは我慢できなくなるらしい。
車内でチョメチョメが始まってしまう。
今のタクシーには、だいたい車内カメラか付いているが、知ってか知らずかお構いなしだ。
やりたい気持ちに待った無し。
これが、無人となれば、言わずもがな。
そして、この2人はその痕跡を車内にたっぷり残して降りていく。  

お年寄りの方に多いが、時々お漏らしをされる方もある。
そんな時はドライバーは仕方なく、営業所に戻ってシートを洗わなくてはならない。
お年寄りでなくても、酔っ払いが大小にかかわらず残して行くこともあるだろう。
なんせ、誰もみてないやん。
カメラがあると言っても、酔っ払いは無敵だ。
さらに、酔っ払いなら車内でもどすこともある。
迎えに来たタクシーに、そんなものが残っていたらどうだろうか。
あなたが座ったシートの中には誰かのオシッコが……うわあ、やめてくれ。

思いつくだけでもこれだけある。
これらをAIが解決できるとは思えない。
カップルがイチャつき始めたら電気が流れるとか、いや、ないだろう。
さてさて、これらをどうやってクリアしていくのだろうか。

タクシーの自動運転をめぐっては、ドライバーの雇用の問題がいつも出てくるが、今回は利用者の立場から見て危惧される点を書き連ねてみた。

もちろんその前に、タクシーの自動運転での営業行為が認められるかどうかだ。
ライドシェアについては、タクシー業界に忖度した結果、あんなに骨抜きのフニャフニャにして、とりあえずやってますの建前だけは取り繕った国が、なぜかタクシーの自動運転には前向きだ。
安全性というなら、ライドシェアとさして変わりはないと思うのに。
これはきっと何かあるに違いないと僕は思っている。
タクシーを自動運転にすると国の儲かるような何かが。
いや、既に儲けている国会議員がいるのかもしれないぞ。

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