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【俳句】逃げ水 春陰 たんぽぽ

逃げ水を追う子の親となりにけり

ひとりで歩けるようになった我が子。
散歩の途中、逃げ水を見て駆け出す。
しかし、どこまで行っても何もない。
きょとんとして振り向く。
この子の親になったんだなあと実感する瞬間。
それは、親としての責任感の芽生える瞬間でもある。
古い記憶の中の光景。

春陰や旅の支度の少しずつ

曇りがちの空。
間も無く春も終わるというのに、すっきりしない天気だ。
週末の旅行の用意をゆっくり進めている。
そんな春の午後。

たんぽぽの一輪路地をふさぎおり

たんぽぽが一輪だけぽつんと咲いている。
しかし、咲いているところが問題だ。
路地の入り口の真ん中。
ここを通るなら俺を蹴散らしてからにしろ。
小さな体で、とおせんぼをしているかのよう。

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