報道の自由のために戦った『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』

これは面白かった。
手に汗握った映画。

ベトナム戦争に関する極秘文書をめぐる
報道の自由 VS 政府という対立構造の中で、
メリル・ストリープにのしかかる重圧をひしひしと感じた。

内容としては、2015年に日本で公開された
『スポットライト 世紀のスクープ』に似ているのだけれど、
こっちの方が規模も大きく、テンポもよかったので、
個人的にはこっちの方が好きである。
(とはいえ、脚本の人同じなのだけれどw)

原題は『The Post』といって、
これはワシントン・ポストのことなのだけれど、
そこの社長であるメリル・ストリープがね、
政府を敵にまわす記事を載せるか否かの決断に迫られて、
それが古くからの友人を傷つけることにもなるし、
自分の会社自体が株式公開したばかりで、
やっと経営が安定していくっていうタイミングでもあったから、
これ、どうする?どうするの?マジどうなっちゃうの?!
っていうところですっごくハラハラした。

そして、終わり方も秀逸で。
まさかの続編があるかのような、
アメコミヒーローモノのような終わり方で、
個人的にはそこがすっごく萌えた(笑)
(歴史に詳しい人だったら、どんな内容か想像つくかもしれないけど)

あと、ちょっと気になったのは、
法廷シーンが終わったあとに、
同じく出廷していたニューヨーク・タイムズは、
最高裁判所から出たところで、テレビの取材陣に囲まれていたけど、
なんでワシントン・ポストにはそういうのがなかったのだろう。
当時は取るに足らない存在だったのかな、、、???

ふと思い返すと、日本の映画では、
あまりこういう政府の闇を暴くような映画やドラマって少ないし、
ましてや実在する大統領をクソ呼ばわりすることなんてまずないから、
そういうところはアメリカらしいなと思うけど、
日米の国民の政治への関わり方や興味・関心の度合いの違いが、
差として表れるところなのかなと思う。

ネットの記事なんかを読むと、
監督のスティーヴン・スピルバーグは
本作をどうしても作りたかったとあるけれど、
やっぱりトランプ政権への批判の意味なんかも込められているんだろうな。


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