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宵も惡いも

ようやく眠れそうになったところで、電車は静かに止まりました。白み出した夜空の端っこが、ゆっくりと、私がこの夜数えた星とその奥に広がる青を、ひとつ、またひとつと拾ってしまい込んでゆきます。その狭間を飾る鮮やかな赤が雲を渡り歩いているのは畏怖の混じる美しさです。車内に四角くこぼれる光。うんざりするほど、今日は天気がいいや。

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