「ベジタリアンのワンモアチキン」
色黒な外国人が
店にやってきた
一時期英語を勉強してしゃべりたい
母が接客してた
一品一品
vegetarian?と確認しながら
商品を選んでいる
お目に止まったのは
新じゃがと手羽元と甘酢煮
これをくれと言っている
ベジタリアンじゃないの?という
疑問は一旦おいて
じゃがいも一個チキン一本
量っていれたら
納得してないみたいで
じゃがいもいらないからワンモアチキンだって
じゃがいもとチキンの商品だから
母は納得してないけれど
外国人で面倒くさいからか
仕方なくいれた
他にもう一つ頼んだみたいで
入れて会計を言ったら
no moneyだからまけてだって
母はそれは絶対ダメだと日本語で怒った
日本語一切しゃべらないから
英語で伝えなよ…と思ったけれど
感情は伝わるね
諦めて追加の商品はキャンセルに
だけどさらにワンモアチキンだって
no moneyじゃないの?という思いは一旦おいて
さすがの母もそれは出来ないと日本語
らちが明かないので私が
Sorry, one potato one chicken
と伝えると
ようやくしょうがないという顔をして
チキン二本をお買い上げ
お国が気になって
Are you from?と聞いたら
indiaだって
こんなに色黒なインド人もいるのね
私に興味を持ったのか
daughter? と聞いたけど
聞き取れないのか母は無視して私の所へ
yes, daughter と言うと相手にするなとどつかれた
ガラが悪いと母は憤慨してるけど
私は面白くて仕方ない
つたない英語を使う機会にもなって
頭もクリアにフル回転
次の日もインド人やってきた
今度は私が接客
美味しかったのか
やはりチキンを注文
面倒くさいから
始めから二本いれてあげた
だけどそれ見て
やっぱりワンモアチキン
想定内通りの展開に
しょうがないという顔をして
you like chicken? You specialとつたえると
満足げな表情を浮かべて
「The day after come」
…どういう意味だっけ?とふんわり復唱して
頭は迷子のまま
インド人は去っていった
ネットで確認したら
the day after…翌日…
come…来る…
相当気に入られたみたいだな…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?