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アオハルなんて言葉じゃ足りない

成人年齢が引き下げられて、
20歳のあなたも、
19歳のあなたも、
18歳のあなたも、
今から成人です。


21歳の人は、
成人2年目で、
17歳の人は、
成人まであと3年だった。


みえる景色が違うだろうか。


ミュージシャン。
幼稚園の頃に書いた将来の夢を、
高校卒業後に目指すという。
当の本人は書いたことを覚えていなかったという。

ーその夢でどうやって食べていくんだ。
ーそんなあまいもんじゃないよ。

周りの言葉は応援じゃない。

そんなことはわかっている。
自分でも不安でいっぱいだ。
大丈夫かな。
失敗したらどうしよう。
自分の決断はこれで正しいのかな。


人前で声を発することが怖い高校生。
小さい頃、
自分の言葉がひとり歩きして、
周りから冷ややかな目でみられた。
発言することが怖い。
ずっと壁を創って閉じ籠もる。

でもこのままでいいの?
このまま大人になって大丈夫?
怖い。
あぁ…でも…


大学から帰宅して、
家族のご飯を作る。
食べるときは一人きり。
母親が1年前に亡くなった。
命とは儚いと思い知った。
やりたいことはやっていこうと思った。

母親が贈ってくれた楽器。
音を鳴らすたび母親が側にいる気がする。
だからこれからも音を奏でつづける。


夢がとくにない。
なんとなく無理やりどこかに向かわないといけないような焦りを覚える。
何かを見つけている人がいる。
自分にはまだそれがない。


これらは「18祭(フェス)」に出演した 4/1000人。



NHKが主催する18歳世代の1000人と1回限りのパフォーマンスでその年のアーティストと共演するイベント。
今回はBUMP OF CHICKEN。
この1000人と歌う為につくった曲「窓の中から」。

1000人分の不安を抱える18歳世代が、
何かを変えたくて、
背中を押してほしくて、
全国から集まってきた若者たち。
数ヶ月をかけて練習し、
そこで出会った人たちと会えることを喜ぶ。
不安と興奮を分かち合う。


憧れのアーティストと一緒に演じる。
それだけでも嬉しいのに。
そこに1000人分の想いが重なったとき、
その空間にある世界は夢の中。


彼らの不安とともに、
この3年のコロナ禍で抑えてきたもの。
そういったものが全部、
この空間の中で和音になった。
みんなの体全体で表現されるそれらは、
強いられるものではなく、
それは解放。
ただ楽しく、
ただ嬉しく、
今この一瞬一瞬を取りこぼすことないように、
無我夢中で。


どうか彼らの未来が少しでも明るいものでありますように。


この年齢になっても、
目の前にあるのは不安ばかりで。
我が家の18歳世代の横で、
背中を押すどころか、
足踏みさせているような大人で。
ほんとうに情けない。
ごめんね。


41祭ないかな~


最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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