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みんなも始めよう、クリストファー・ノーラン学 Ep0+1.0 「時間」

こんにちは。新型コロナウイルスのおかげでアルバイトをクビになった人です。今の時期、映画を観たり、脚本を書いたり、少し筋トレしたり、少し音楽制作を始めてみたり、就活をする事以外特にやることが無いので、自分の上っ面の知識の備忘録としてnoteに色々書くことにしました。

さて、タイトルを見て通り、記念すべき第一回は、僕の大好きな映画監督クリストファー・ノーランについてです。とは言っても、これはどんな映画監督にも言えることですが、彼の作品や彼自身の事を話そうとすると、1回では収まらないので、何回か分けて書く事にします。尚、僕自身、このnoteというものにかなり不慣れなのでご承知ください。

まず最初に、彼の作品制作の経歴から。(監督・公開作品のみ)

"Doodlebug" (1997年 監督/脚本/撮影/編集/美術)

↓本編

「フォロイング」(1998年 監督/製作/脚本/撮影/編集)

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「メメント」(2000年 監督/脚本)

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「インソムニア」(2002年 監督のみ)

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「バットマン ビギンズ」(2005年 監督/共同脚本)

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「プレステージ」(2006年 監督/製作/共同脚本)

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「ダークナイト」(2008年 監督/製作/共同脚本)

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「インセプション」(2010年 監督/製作/脚本)

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「ダークナイト ライジング」(2012年 監督/製作/共同脚本)

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「インターステラー 」(2014年 監督/製作/共同脚本)

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「ダンケルク」(2017年 監督/製作/脚本)

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”TENET”「テネット」(2020年 監督/製作/脚本)

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どれも傑作ばかりなのに、それを1~3年に1度、しかも脚本を担当した上で公開してしまうという人物。それが、クリストファー・ノーランです。

尚、このシリーズではノーラン作品のネタバレに触れていくのでご注意下さい。

さてさて、全ての作品について話をしたいところですが、とりあえず僕はめちゃくちゃ「TENET (テネット)」の話がしたい!!!!!!なんでかって製作費がノーランの作品の中で一番高いから!(日本円で約240億円)

皆さん、あの新型コロナウイルスが猛威をふるう前、IMAXシアターで何か映画を観ましたか?例えば、「スターウォーズ:スカイウォーカーの夜明け」とか、「1917」とか、「フォードVSフェラーリ」とか、、、もし年末年始にこれらの作品をIMAXシアターで観ている方で、こんな予告映像を観た方いませんかね?

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車の横転が逆再生で描かれている映像。そうです、これが今年7月全米公開予定の彼の新作、「TENET (テネット)」です。これが、クリストファー・ノーランの作品です。そうです、よく分かりません。ただの逆再生です。iPhoneでも出来ます。何が何だかよく分かりません。でも彼ならそんな逆再生を理由づけしてSF映画にしてしまいます。そしてこの映画、前情報が極端に少ない。まあ、彼の作品ならいつものことです。製作中も、プロモーションも、秘密主義で知られています。逆に彼の今までの功績、「メメント」「プレステージ」「インソムニア」「ダークナイト三部作」「インターステラー 」「インセプション」「ダンケルク」などがあるからこそ、このような宣伝方法が取れるのでしょう。そして僕はこれからの数回をこの前情報がバカ少ないテネットから枝分かれをしてクリストファー・ノーランについて語ります。頑張って映画公開(されるといいな)の7月までにはある程度語り終えます。もしかしたらそれ以上に話します。

上にあげたテネットのgifですが、僕はこのショットにノーランが作る作品とは何なのかが詰め込まれていると思います。

それらは主に、「時間」「ヴィジュアル」「主観」、「フィルム」です。

「え?SFじゃないの?」と思った方はお待ちを。

ここからEP1.0、今回はまず、「時間」について。

ノーランは彼が社会人時代に友人と制作をした「フォロウイング(1998)」、ハリウッドデビュー作である「メメント(2000)」において、主人公の時間軸をバラバラに見せかける事によって観客を混乱に陥れました。それ以来、彼はほぼ毎回、キャラクターの時間をイジる事で、見ている人達の興味を誘います。

「え、これはさっきのあれだろ?で、このシーンはこれで。。ん、待てよ、じゃあさっきのシーンは何なんだ?」みたいに。

このようなノーランの作品の特徴を、よく「ノンリニア」と呼んだりするらしいです。逆に「リニア」とは、話が前へ、前へと進んでいくもの。ノーランの作品は必ずしもそのようなものではありません。時間軸が行ったり来たりします。この特徴は前述した2作品以外でも、「バットマン:ビギンズ(2005)」での主人公、ブルース・ウェインの回想や、「インセプション(2010)」での、夢の階層によって違う時間の進みの早さ、「インターステラー(2014)」での高重力下の環境による主人公達の時間の進みの遅れや、「ダンケルク(2017)」での、「防波堤」、「海」、「空」での時間の進みの差などで描かれています。恐らく「テネット」も、逆再生という新しい時間のイジり方の登場で、これまで以上に話の進みが難しくなると思います。また、「時間」に関連して、ノーランは「腕時計」を重要な小道具として出すことがあります。例えば、「インセプション」にて腕時計の針のスピードで時間の進みの違いを表現したり、

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↑タグホイヤーのカレラ キャリバー5

「インターステラー 」では、父クーパー(演:マシュー・マコノヒー)が娘マーフ(演:マッケンジー・フォイ、ジェシカ・チャステイン、エレン・バースティン)に人類を救うためのモールス信号を送るために、彼女にあげた腕時計の針の動きを使って伝えたり、

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↑左はハミルトンの「カーキ パイロット デイデイト」、右は非売品のハミルトンの映画オリジナル腕時計、後に「カーキ フィールド マーフ オート」としてほぼ同じものが公式発売。

そして「ダンケルク」では戦闘機「スピットファイア」のパイロット、ファリア(演:トム・ハーディー)が燃料計の計算をするために使っていたり、

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↑オメガの腕時計「CK2129」

何よりこの作品ではノーランの私物の腕時計のチクタクという音をサントラの一部として使用しています。(この事に関しては、クリストファー・ノーラン学:サウンドトラックの項目にて詳しく話します。)

といったように、ノーランの作品では「時間」を印象的に描いている、もしくはテーマにしている作品が多いです。また、毎回毎回同じような手法、テーマを扱うことから「作家主義と大作主義の両立に最も成功している1人」と称されています。他にも、これらのような特徴以外に「時間」を扱っているものがあるのですが、今回は最初だし、ここまで!!駄文乱文失礼致しました。

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