【気まぐれコラム】のほほんとのーととほんと|月刊まーる編集長@石垣島|『長い夜を持っている』
僕たちは、"鮮やかさ"をもって距離を測る。
空間最たるものは、視覚を用いた距離感覚である。
遠くに見えるヤラブ並木のよりも、すぐ樹上に揺れるデイゴの葉がくっきりと、鮮明に見える。だから、あのヤラブよりも、このデイゴの方が、僕の近くにあるとわかる。
「近くの木の方が大きく見えるからデイゴが近くにあるとわかるだけで、それは、鮮やかさとは関係のない話だろう」という声もあるかもしれないが、おそらくそれは違う。
"このデイゴ"の木の10倍遠くに10倍大きなデイゴの木があって、どち